アマチュア無線とは?

アマチュア無線とは、一口で言えば「個人的に電波を出して楽しむ趣味」です。例えば次のような楽しみ方があります。

  • 国内外のさまざまな人との通信
  • 美しい絵葉書のようなQSLカード(交信証明書)の交換
  • 交信コンテスト(一定時間内にルールに沿って多数の局と交信し、ポイントを競う)の参加
  • アワード(ルールに沿って多数の局と交信するともらえる賞状)の収集
  • 山や船の上、見晴らしのよいところなどに移動して行う移動運用
  • アンテナや無線機などの自作

上に挙げた以外にも、アマチュア無線には十人十色の楽しみ方があります。アマチュア無線家各局のWebサイトを見ると、それぞれの局の楽しみ方が書かれています。 当クラブでのアマチュア無線の楽しみ方は、クラブ紹介をご覧ください。


電波を出すには資格が必要

電波は好き勝手に出せるものではありません。電波はさまざまな人が利用しますが、これらは限られた周波数の中で使われています。 そのため、電波を出すには免許(無線局免許状)と資格(無線従事者免許証)が必要となっています(例外もあります)。 もしも免許がないのに電波を出した場合、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」という刑罰があります

この、電波を出すのに必要な資格が「無線従事者資格」ですが、これは国(総務省)が発行する、れっきとした国家資格です。 一回取得すると、たとえ電波を一度も出さなくても、一生有効な資格となります(電波法に違反するなどした場合を除く)

無線従事者資格にも、用途に合わせてさまざまな資格があり、大きく業務用無線の資格(プロ無線)とアマチュア無線の資格に分けられます。

業務用無線には、

  • 総合的に無線を扱うもの(総合無線通信士)
  • 陸上での無線を扱うもの(陸上無線技術士、陸上特殊無線技師、国内電信級陸上特殊無線技師)
  • 空中での無線を扱うもの(航空無線通信士、航空特殊無線技師)
  • 海上での無線を扱うもの(海上無線通信士、海上特殊無線技師、レーダー級海上特殊無線技師)

の大きく4つ、資格・級を分けて分類すると合計19の資格があります。

また、アマチュア無線の資格は、第1級アマチュア無線技師から第4級アマチュア無線技師まで、計4つがあります。それぞれの資格で認められる運用の範囲は以下の通りです。

空中線電力バンド(周波数帯)備考
11kW(1000W)以下すべてのアマチュアバンド-
2200W以下すべてのアマチュアバンド-
350W以下10MHz帯・14MHz帯を除くすべてのアマチュアバンド-
410W以下(VHF・430MHz帯は20W以下)10MHz帯・14MHz帯・18MHz帯を除くすべてのアマチュアバンドモールス通信は出来ない

なお、アマチュア無線の資格はあくまでも個人的な趣味のための資格であり、業務用無線の利用は出来ません。ですが、アマチュア無線の資格もれっきとした国家資格であり、一生有効な終身免許となっています。

一度資格さえ取得すれば、あとは当クラブなどのアマチュア無線クラブに加入したり、自分で無線局を開設(無線局免許状を取得)したりすることで、アマチュア無線を楽しむことができます。


資格取得方法

無線従事者の資格(プロ無線を含む)の取得には、年齢制限や学歴・実務の必要などは全くなく、誰でも受験できます
特に、第3級(3アマ)、第4級(4アマ)の国家試験は、24問(4アマ)または28問(3アマ)の四択問題を7割以上解けば合格しますので、比較的簡単に取得できます。 出題される問題はある程度決まっている(ほとんどが過去問からの出題)ので、小学生でも問題を丸暗記すれば取得できてしまいます。

4アマの問題は、無線工学が12問、法規が12問出題されます。無線工学は「オームの法則」などの電気的知識や、無線機やアンテナ、電波についての知識を問う問題です。 法規は、電波法や運用の仕方などの、電波を出すための知識を問う問題です。両方の分野で8問以上正答すると合格です。
(※無線工学と法規の合計正答数が7割に達していても、片方が7割に達していないと不合格ですので気をつけて下さい。)

初めて問題を見ると難しそうに感じるかもしれませんが、真面目に勉強すればどんな人でも1か月程度で十分合格できるでしょう。 書店で参考書・解説書を買ってきて勉強するのがお勧めですが、ある程度予備知識のある方なら、インターネット上に問題演習サイトがいくつかあるので、 そういったウェブページを利用して勉強しても十分合格可能だと思います。

当サイトでも、2010年7月の実際の4アマ国家試験問題を公開しています。是非参考にしてください。
こちらからご覧になれます→2010年7月期の4アマ国家試験問題

一人で勉強するのは大変だという方には、講習会もあります。国家試験の受験よりは多少費用が掛かるものの、修了試験に合格すれば資格がもらえるので、手軽に資格取得できます。 詳しくは下記リンク先をご覧ください。


受験申込方法

3アマと4アマの試験は、同じ日の別の時間に行われます。したがって、同じ日に同時に2つ受験することも可能です。
試験場所は、全国の23の都市 (東京・宇都宮・札幌・仙台・青森・長野・新潟・金沢・名古屋・静岡・大阪・広島・松江・岡山・松山・高松・熊本・鹿児島・福岡・大分・長崎・北九州・那覇) です。それぞれの都市で年に1回以上試験が実施されています。自分が住んでいる都道府県以外の会場でも受検できます。 年間の受験日程は 日本無線協会のホームページ で公開されています。

受験申し込みは日本無線協会 試験申請ページで行なうか、申請書を郵送します。 詳しくは日本無線協会のホームページを見てください。
受験料は、4アマ5,012円、3アマ5,262円です。(2017年8月末現在)