賀陽桜友会会長挨拶

来賓挨拶  桜友会会長 賀陽 治憲様

桜友会の賀陽でございます。私は昭和22年の旧制高等科の卒業で、原昌三さんと一緒でして、先ほど記念誌を拝見しておりますと当時森先生という若い手工の先生がおられて、初めて鉱石ラジオというものをみんなに作らせたという事が書いてありまして、その事だけが(ラジオとの)つながりでした。最近はやりの携帯電話というものは、かければ必ずつながるということで、これはこれで大変便利なものなのですが、無線のほうはつながるかどうかわからないし、そのやり方にスリルをおぼえるというふうに私はうけたまわっておりますが、そういうものであればある程長続きするんだなと、今日初めて認識したしだいです。

学習院の伝統と文化をどう将来に伝えるかという課題を重要に考えていまして(注*)来年80周年を桜友会は迎えるわけですけれども、昨年の末に皇太子殿下をお招きしまして学習院の蒼々たる先輩方の討論会をやったのですが、最初の試みとしては、なかなかよかったと私は思います。この第2回の開催も年内に計画していますが、この学習院の伝統と文化というものを、若い人たちの前でいかに将来に伝えてゆくかという、古くて新しい問題に取り組むということも大事ではないかと思います。 一言お祝いと今後のご発展を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

注*: 桜友会報 第74号 「桜友会創立80周年記念事業、学習院の継承すべき伝統と文化、私が学習院で学んだこと」参照