ごあいさつGRG会長 |
平成15年度が終りになり、直ぐに新年度が始まる時期となりました。それに伴って恒例
のGRG会報出版の時期となり、長瀬先生から依頼の電話が参りました。昨年11月に原先
輩も出席されて総会を開き、池袋で2次会をやったばかりと思っていましたが、もう4ケ月
が過ぎていました。日時の経つのは早いものです。今年度は、イラク戦争があり、この後始末にアメリカがて こずっているばかりでなく、アジアにおいてはSARSの蔓延、アメリカでは西ナイル熱、 鯉ヘルペス、最近は鳥インフルエンザの蔓延など、世界中で今まで聞いたことも無いウイル スが大規模発生する等、昨年はとんでもない年でした。 無線関係でも昨秋以来太陽活動が異常に活発となり、大きな太陽黒点が多数現れて、10月 29日には、太陽最盛期にも現れないような巨大なフレアー群が発生し、大きなデリンジャー 現象や磁気嵐が発生して、短波伝播が乱れました。その後この黒点群は2月初めまで引き続 いて活発で、3月に入った現在までその影響が残っております。しかもこの巨大フレアー群 のスペクトル性質が通常の最盛期のそれと異なり、太陽宇宙線の異常増加や、17メガ帯や 21メガ帯には思ったほど影響せず、3.5メガ帯など10メガ以下の低い周波数帯に顕著に影 響しました。 また今年の冬は太陽風の風速が平年の300km/秒に比べて2倍を越し800km/秒に達 することがしばしば起こり、その影響で極域に於けるオーロラ発生頻度が極めて高かったの も異常な年であったと言えましょう。 GRGの皆さんは、学習院桜友会の一員としてお花見会、夏の沼津の合宿など例年通りの 活躍をされた1年でした。しかし今年から短波帯の規制緩和も始まる傾向にあり、アマチュ ア無線界にも急速に変化が始まってきました。特に7メガ帯の拡大、高い周波数帯の開拓、 アナログSSBからディジタル通信への移行等がそれです。特にディジタル化は、1950年代 のA3からSSBへの移行時の混乱にも増して、アマチュア通信界に大きな混乱期をもたら すのではないかという気がします。しばらくはA1がはびこるのではないでしょうか。 GRGの来年度の活動として、マイクロ波通信の実験やディジタル化の研究を取り入れて はいかがかと考えています。出来れば関連の施設の見学なども取り入れて行きたいですね。 アマチュア無線界にとって来年度に大きな影響をもたらす問題が再発しました。一昨年、 総務省の裁定により鳴りを潜めていた電力線搬送通信(PLC)の実用化実験が、関西電力 を中心としたグループによって再開され、今回実験の申請が関西電波監理局に提出され、受 理されました。これによると、2〜30MHzの短波帯全域にわたって変調をかけるので、 前から問題にしている電波妨害が我々アマチュア通信を始め広く短波通信に妨害を与える恐 れがあります。 先方は、一昨年の時より改良を加えて、妨害電波の発生は少ないと言っていますが、実際 には実験をしてみないと分かりません。このPLC通信は政治的背景が強く、先方はなかな か引っ込めようとしないので真に厄介です。JARLはじめ短波使用者がこれに反対する対 策を講じていますが、これからが大変で、16年度の大きな問題となるでしょう。 平成15年度の最後の会報に当たり、16年度のGRGおよび会員の皆様のご発展とご健 康を祈念し、巻頭の言葉と致します。 2004年3月
注: 平成16年3月発行のGRG会報(第33号)より転載 |