CWで応答率を上げる方法 by JA3VXH

CWで応答率を上げる方法

CWでの応答率をあげるヒントをお教えしましょう。 但しこれは私のこれまでの経験則ですのでご了承ください。(JA3VXH)

西宮クラブ会報2003年11月〜2004年2月に連載された記事です。

事例

9月のある日曜日にあった事例です。 週末にだけ出てくる8J1RF(南極ドームふじ観測拠点)を14MHzのCWで見つけました。 方向は南方向、信号はS-3程度、何とかQSOできるレベルです。 8J1RFの周波数で呼んだのですが、スタンバイしてから少し時間をおいて、 他の局に応答しています (その一その四参照)。 2, 3回そんな状況が続きました、脳裏にパイルがひどくてだめかな? と思いました(その六参照)。 ところが応答局の信号が聞こえません。 この時間(夕方)で南方向の局に対しては、QSOしているJAは 弱いながらも聞こえるはずですが…… そこで呼ぶのを少しやめてQSOしている相手局を探してみました (その二参照)。 そうすると、500Hz上で出ている局がQSO相手でした。 すなわち8J1RFは自分の周波数を聞かずに500Hz上を聞いていました。 さらに次の局も同じ周波数で応答してもらっています。 そこでQSO相手の周波数に合わせて、 自分のコールを2回送信すると一発で応答がありました。

CWで応答率を上げるヒント

その一:完全に相手局の送信周波数に合わせてコールする

相手がCQを出しているなら、もしくはスプリットの指定が無いなら、 コールするときはできるだけ完全に相手の周波数に合わせて呼ぶのが基本です。 最近のリグではIF帯域が200Hzのフィルターを使用している局が多いと思われますので、 CQ終了後初めて受信する周波数で呼ぶと応答確率が格段に向上します。 特にコンテストでのQSOでは200Hzもずれれば、応答率はがた落ちとなります。

私の経験でも(オール兵庫, XPO等の国内コンテストや、KH2からの運用)でも、 ひどいときは1KHz程度ずれて(故意にずらして??)コールする局が結構いました。 CW用の600Hzのフィルターを使用しているのですから、 これらのコールはRITをまわさない限り受信できません。

それでは、ずれる原因はどこにあるかといいますと、 ほとんどの場合リグの特性にかかわってきます。 リグの特性の内容はこの後のヒントにも関係しますので、後で詳しく説明します。

その二:完全に相手局の受信周波数に合わせてコールする

場合によりけりですが、 呼ぶ相手が受信している周波数以外でコールしても応答が無いと 考えていいと思います。

ケース1)スプリットの指定をしていないとき

この場合は、相手の送信周波数で呼ぶのが基本ですが、 稀に故意に受信周波数をずらして交信している局がいます。 このような時は呼んでいる局が自分のところで聞こえるなら、 応答があった局の送信周波数を確認することが重要です。 ずれているなら、呼ぶ周波数も相手の受信周波数に こちらの送信周波数をずらす必要があります。 これは相手が受信周波数を余り変えないと思われるとき有効です。

ケース2)スプリット指定をしているとき

どの周波数で呼ぶのか決めるのが、腕の見せ所です。 指定が「UP」・・− ・――・だけの時や、 5 TO 10(CWではほとんどの場合UPのみですが) といわれても闇雲に呼ばないことです。 まずはどこの周波数を受信しているのかを探すのが肝心です。

ここで問題になるのは「相手が受信周波数を余り変えない」のか 「頻繁に周波数を変えるのか」が判断に迷うところです。 「相手が受信周波数を余り変えない」と見えるなら、 とりあえずケース1のパターンで呼んでみます。 但し、ときどき、どの周波数のコールに応答しているのか チェックする必要があります。

「頻繁に周波数を変える」と見えるなら、今の受信周波数で呼ばないで、 次の受信周波数を予測して呼ぶのが良い方法です。 後は、気づかずに通り過ぎられるか、気づいてくれるのかはあなたの運次第です。 この場合でも、「気づかずに通り過ぎられた」かどうか、 頻繁にチェックすることは必要です。

その三:すいている周波数でコールする

珍局のスプリット指定で、たくさんの局がワーワー呼んでいる時は その一その二のやり方はまず通用しません。 せいぜいキロワット+ビームの局に蹴散らされるのが関の山です。 こんな時はコーヒーを飲みながら(私はビールのことが多いですが……) ワーワー呼んでいる周波数の端や空いている周波数でコールすることです。 キロワット+ビームで腕力勝負している局とまともに渡り合って 勝てることはありえません。

それと、応答するタイミングがゆっくりの局は ぽつんと離れた周波数で呼んでいる局を探して応答している可能性があります。 有名なDXペディションのメンバーでないなら、 別の言い方をすればDXバケーションの局なら、パイルの中ではコールが取れないので、 すいている周波数で呼んでいる局のコールサインを取ろうとしていることが多いです。 (これはへぼオペの私がKH2でダイナミックイヤホンで CWのパイルと格闘していた状態と全く同じです)

その四:相手のペースに合わせる

呼び方は「自分のコール1回」が原則です。 ところが、自分のコールを送信して受信に移った時、 すでに相手が他の局応答している場合と、受信に移ってからしばらくして 他の局に応答している場合があります。

すでに他の局に応答している時

送信スピードを上げるべきですが、それによって 間違ったコールサインを送信するようでは何をしているか意味がなくなります。 お勧めは「いつでもマイペース」です。

しばらくしてから応答している場合

いろいろなケースが考えられますが、ほとんどの場合、 パイルが収まるのを待って、受信できた局に応答していることです。 こんな時は(こんな時だけ)「自分のコール2回」をお勧めします。 時間軸での「空いている周波数で呼ぶ」ということです。

よく言われる「タイミングをずらしてコールする」と似てはいますが、 繰り返して呼んではいけません(これはマナー違反です)。 あくまでも「自分のコール2回」のみで相手局の応答を待つ必要があります。

その五:運を天に任せる

どこを聞いているか判らない、呼んでいる局も聞こえない、 でもJAに応答している、 こんな時は運を天に任せて適当に離れた周波数で呼び続けることです (コーヒーもしくはビールは必須です)。

どの周波数で呼ぶかは、その人の勘ですが、 私は+5、+8、+10のどれかで呼ぶようにしています(全く根拠はありません)。

その六:諦める

どパイル、速いスピードの電信、 ヨーロッパばっかりとしかQSOしていない……。 人間、諦めるのも時と場合によっては健康のため重要です。

周波数の合わせ方

CWで受信した信号の周波数にこちらの送信周波数を合わせるのは意外と難物です。 この理由はお使いのリグの特性(設計)によって異なります。 CWを聞く際に一番聞きやすいトーン(ピーピーやブーブーか)は 個々人によって異なります。 最近のリグはCWフィルターの中心周波数で送信されるものと、 設定で変更できるものの2種類に大別できるようです。 いずれにしても、自分が受信するのに聞きやすいトーンと 送信周波数の違いを取扱説明書で確認する必要があります。 加えてリグの設計がCWモードになった時、 LSBの周波数関係なのか、USBの周波数関係なのかも非常に重要です。

800HzのトーンでCWを受信した時に送信周波数と受信周波数が一致するリグの場合。 もしあなたが受信しやすい周波数が600Hzなら 確実に200Hzずれて送信することとなります。

ここで、あなたのリグと相手のリグが共にUSBの周波数関係、 もしくはLSBの周波数関係でCWを運用しているのなら、 相手は200Hz高いトーンであなたの信号を受信することとなります。 もしLSB周波数関係+USB周波数関係なら 200Hz低いトーンであなたの受信信号を受信することとなります。 相手のオペレータによっては200Hzのずれがあると、 聞きにくいトーンとなって聞き取ってくれないことが発生します。 これ以上ずれれば、相手が受信ダイアルもしくはRITで 受信周波数を変えてくれない限り交信できません。

防止方法

まず、リグの取扱説明書をじっくり読んで受信トーンと 送信周波数の関係の設定を確認することです。

次に、自分の聞きやすいトーンは何Hzかをぜひ確認して、 そのずれをRITなりで補正することです。 補正のしかたは定められたトーンでCWを受信し、 RITを使用して聞きやすいトーンに調整する。 そしてそのRITのメモリを記録する。これだけで十分です。

音痴の私は、これらの設定に自信が無いので、 CWフィルターを200Hzにしていつも受信しています。 これなら、間違えてもプラスマイナス100Hz以内で周波数はあっているはずです。Hi

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