突然の KH2 運用記 by JA3VXH

突然の KH2 運用記

JA3VXH


どないしょーかなー???

RIG and PC

母親、私の家族、弟の家族の総勢 9 人で KH2 行きが決まったのは 6 月でした。 それから出発の前日まで、無線機を持っていくか、いこまいか悩んでおりました。 無線機を持っていかずに KH2 のレンタルシャックから運用するのも良し、 ホテルに交渉してアンテナを上げるも良し、などと考えていたのですが、 結局前日になって、その他の荷物の量を見て無線機、 アンテナ一式を持っていくことにしました。 もっともアンテナは R-6000 を買っていたのですが、サイズと重さの関係から、 4.6 m の釣り竿 2 本と 21 MHz と 28 MHz 帯のサガ電子製の Zepp もどきを 釣り竿袋に入れて持っていくことにしました。


忍者のごとく

ANT

ホテルに到着したのが 15 時ごろ、レンタカーを借りたり、 夕食に行ったりしているうちに、22 時になってしまいました。 片付けや翌日の行動計画などで時間は 0 時に……。 寝る前にちょっと無線でも聞いてみるかと、リグを出してきてセットしました。 アンテナは 7J3AXQ が春に神戸のホテルでやったのと同じ、 サガ電子の Zepp もどきを釣り竿でベランダの外に 70 % ほど突き出しました。 つり竿が万が一折れても落下しないように処置をして、 根元の方はベランダの椅子に固定しました。 昼間はつり竿を縮めて、ベランダの中に入れれば見えません。 夜になったら、伸ばして運用! フィーダーを接続して、ダイアルを回してみると、 ヨーロッパに信号が 9+ で入感しています!!!


VSWRが……

こうなると送信したいという欲望に勝てません! IC-706 のメータを VSWR にセットして送信すると、なんと VSWR は 1.5……!?!? 短縮していないので、バンド全体で 1.5 以下になっています。

ほんまかいな!?

ちょうど CQ を出していた RK1NA を呼んだのですが、 de KB7OBU/KH2 だけで一発で応答あり! 「ほんまかいな?」が正直な感想でした。 昔に RTTY の機械 (PCと違って、メカニカルマシーン) を手に入れて、 初めて QSO できたときと同じ感激でした。 初 QSO は名前その他、応答いただいた方に敬意を表してお知らせいたしました。 これが終われば寝よう、と思って QSO を終えた直後から、 グアムにおける私の夜の生活が始まりました。 なんと KB7OBU/KH2 を呼ぶパイルがその周波数に出現したのです! 信じられません。 CW で 27 局ほど QSO した後に RTTY へ QSY しました。 RTTY では 71 QSO! 時間は 2 時 30 分! 明日の事を (正確には本日、昼間) 考えて QRT しました。

翌日から現地時間の 9 時ごろから翌朝の 2 時ごろまでの運用が定着しました。 家族が寝る 11 時以降は CW もしくは RTTY の運用です。 コンディションは 26 日が最高で、以後、段々と悪くなっていったように感じました。 グアムからの電波伝播は日本とは少々異なりますが、 一番驚いたのは JA に対しての伝播です。 2 日目ぐらいまでは感じなかったのですが、 コンディションが悪くなった 3, 4 日目は地理的に真北にある JA8 が非常に強い! 西に行けば行くほど信号は弱くなり、かつ QSB が酷くなります。 JA6 エリアの局との QSO はたったの 2 QSO! それに対して JA8 エリアとの QSO は 14 QSO! いかに南北の軸線上の電波伝播が良好かがうかがい知れます。 オペレートにつきましては、時々いらっしゃる 「呼ばれると偉くなったように勘違いしたオペレータ」ではなかったと、 私自身は信じております。 呼んでいただいた方の中には「常識はずれでは?」としか思えない 「勘違いしたオペレータ」がいらっしゃいましたが、 ほとんどの方は Gentle で楽しませていただきました。

QSO の分析

QSO の結果を少々分析してみました。

地域別内訳

JA183 QSO
DX504 QSO

決して JA を避けたわけではありません。 夜の運用時間が DX (ほとんどがヨーロッパ) に良かったのと、 JA では深夜になっていただけです。 「QRX JA」は SSB で一度言ったのみです。 本当の原因は JA から見て KH2 が珍しくないからでしょう。 私もKH2はあまり呼びません。Hi

モード別内訳

RTTY372 QSO

1 分で 1 QSOが限界のこのモードでこんな QSO 数になった理由は、 RTTY の KH2 が珍しいからでしょうか? 私もこの数年、RTTY の KH2 は QSO した事がありません。 RTTY では生まれて初めてスプリット指定をさせていただきました。 もっとも、こんな事になるとは思わず、マクロ文を準備していなかったため、 初日はマクロの作成、修正のため QRX を連発していました。 それにしてもMMTTYさまさまです。 ターミナルユニットを持っていかなくて済むのはこんなに楽な事かと実感しました。

CW179 QSO

荷造りにかさばるヘッドフォーンをやめて、 昔ながらのダイナミックイヤフォーンを持っていったのですが、 これが大失敗でした。 パイルになると CW の音が割れてしまい、聞き取るのに難渋いたしました。 スプリット指定で離れて呼んでいる局を探しながら応答する羽目になりました。 (もっとも理由の半分は VXH のヘボオペが原因です。) 後で気がついたのですが、 昼間に KH2 でコンピューター用のヘッドフォーンを買えば良かったのです。 気がつかなかった……

SSB100 QSO

QSO のほとんどが JA でした。 たまに呼んでくるヨーロッパが非常に強力なのには驚きましたが、 昔に比べて行儀の良さには本当に驚きました。 閉口したのが JA の局でサフィックスのみを連呼する局の多さでした。 コンピュータログを使用している関係上、 この呼び方ではキー操作が増えてしまいます。 まして、ハンドマイクで運用している状態では、 完全にタコ踊り状態になってしまいます。 また相変わらず、送信終了時に「こんばんは、どうぞ」と言う局もけっこういて、 いらいらしてしまいました。 これらが、早々に RTTY に QSY した理由です。

PSK3133 QSO

持っていった PC に入れたソフトがなぜかバージョンの古いもので QSO がやりにくい代物でした。 それでも、RTTY で呼ばれなくなった後、QSY して QSO させていただきました。 ヨーロッパ側の QRM が相当ひどいようで、応答しても返事無しが結構ありました。 一度、ヨーロッパの QRM がどの程度のものなのか聞いてみたいです。

SSTV3 QSO

これは昼間の暇な時間 (ほかの皆様のお買い物時間) に、 アンテナを半分伸ばした状態で聞こえていた局を呼んだところ応答があったので、 QSOさせていただきました。 もっともコンテスト期間中のため、ナンバーと顔写真を送る必要があったのですが、 JA にいるのと勘違いしてナンバーは 002 から送ってしまいました。 というわけで 001 は永久欠番です! ある局が応答もしていないのにコンテストナンバー送りつけてきた上に、 応答すれば挨拶も無しに Good Bye と言われ、 ぶち切れて昼間から Beer Mode に突入して、夜の運用に備えました。

パケットクラスターの事

帰宅してパケットクラスター (JJ3ZKD) を確認したところ 6 回、 私のコールサインがレポートされていました。 ヨーロッパではどうだったか判りませんが、 コールしていただく国が明らかに固まっている状況が CW でも RTTY でもありました。 その直前に、その国もしくはエリアのパケットクラスターに レポートされたのでしょうか? いずれにしても私もコールサインをレポートしていただいた方にお礼を申し上げます。

Zlog の事

何度も言いました通り、 今回はこんな運用をするとは思いもしませんでしたので、 コンピューターログの設定など一切せずに JA3VXH の設定のまま持っていきました。 (コンピューターを持っていった理由はデジカメのデータ−保存でした。) CW、SSB に関しては Zlog は完璧に動いてくれました。 また、例の「Z-key」と呼んでいる CW+STBY インターフェースは、 これが無いと運用できないと感じるぐらい便利なものです!! 他のモードでの状況ですが、SSTV, PSK は QSO のテンポが遅いので、 Zlog と MMSSTV や WinPSK を切り替えながらの運用/ロギングで問題は無いのですが、 中途半端な運用テンポになる RTTY は MMTTY と Zlog を切り替えるには 手間がかかりすぎるし、 かといって Zlog と MMTTYのリンクが出来るようですが、 動作が保証できないし……で結局手書きログで運用し、 後から Zlog に打ち込む羽目になりました。 何事も日ごろの準備が肝心です。

QSL の事

KH2/KB7OBU

これは、最初に悩みました! はっきり言って QSL は送ってもらっても、送ってもらわなくても良いので、 「こちらからお送りしますのでよろしく」と言っていたのですが、 そのうちにもろに「カードの送り先を教えてください」と尋ねられるに及んで、 「JA3VXH へ送ってください」と言ってしまいました。 KH2 から帰った翌日 (31 日) に早くも 2 通の封書が配達されてきました。 1 通は完璧な SASE でしたが、1 通は QSL カードのみで、 「PSE QSL」と書かれています。 こんなカードが一番困ります。 いちいちダイレクトで返送していたら宛名、住所を書く手間、 切手代が堪りませんし、 JARL で送れば「俺は Direct で送ったのに」と言われるのもいやだし…… はっきりどうしろと書かれないのが一番厄介です。 ちなみにこの方の QSL は初日到着記念として Direct で返信しました。

理想は「カードは送っていただかなくて結構です。 こちらからは JARL でお送りします。待ちきれない方、JARL の会員でない方は SASE でご請求ください」だと思っていたのですが、なかなか言えないものです。 決して「カードは一方的にお送りします」という、 訳の判らない日本語は使いませんでした。 もう 1 通の QSL ですが、QSL カードも SASE も完璧なのですが、 昔から言われている事ですが、 「何か一言」が無いとこんなに QSL カードの請求が無機質に感じるものか と驚いております。 「何か一言」書かれていると、QSL マネージャーは気分が良いといわれていますが、 全くその通りだと実感しました。 もし、QSL の返送率が悪いとお嘆きの方がいらっしゃったら、 こんなところに改善点があるように思われますが、お試しになりませんか??



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