ネパール(9N)運用報告
JA3ULS 木村 千良
チケットが取れない!
恒例となった日本ユニセフハムクラブのネパールからの運用ですが、今年
(95年)の年末は、何とかうまく冬休みも取れそうだし、ロイヤルネパール
が関西新空港へ乗り入れたので、一足跳びにカトマンズへと思い、チケットの
手配をしました。しかし、例年になくインド・ネパール方面の予約が多く、出
発予定の5日前になってようやく3人分のみ、しかもバンコック経由でOKの
返事。同じく関空出発組の残る2人をほおって置くわけにも行かず、エイヤッ!
と5人分のチケット代をさっさと振込、強引に関空出発組全員のチケットを確
保しました。
一方、JA8ATGが手配をしていた成田出発組のチケットも難航し、私と
電話やファックスで頻繁に連絡をとりながら、双方で可能性のあるところは手
たり次第に手配をするといった状況でした。
制度改革と免許取得
3年ぶりで訪れたカトマンズも、ご多分にもれず民主化の波が押し寄せ、
種々の制度改革が進められているようです。アマチュア無線に関する規則も、
この3〜4年の間にほぼ整い、一定の手順で日本の免許をベースにネパールの
コールサインを手にすることができるようになりました。
成田出発組と関空出発組の2班に分かれ、12月25日に相前後してカトマ
ンズに着いた私達7名は、翌26日に、予めJA8OW谷本さんが用意してお
いてくれた所定の申請用紙にサインを済ませ、日本の免許のコピーを携えて、
ネパールの霞が関「スィンガ・ダルバール」にある情報通信省のオフィスを訪
ね、免許の申請を行いました。各自得意とするバンドを考慮し、免許料が1バ
ンド当たり100ドルちかくと結構高いため、一人2バンドづつ申請する事と
し、JA2SWJ高木さんは免許される確信はないものの160mバンドも申
請する事にしました。
ローバンドで奮闘
27日にJA8OWが免許状を受け取ってきました。しかも、9N1SW高
木さんの免許状には160mバンドもちゃんと記載されています。さすがJA
8OW!見事な交渉手腕です。早速アンテナや無線機のインストールを済ませ
ワッチしてみたものの、ハイバンドはノイズのみで何も聞こえません。運用期
間を通じて、28MHzは9N1YZ安藤さんがCWで1局、21MHzは9
N1GO木村まりがSSBで見つけたJA1GMJただ1局でした。14MH
zも、ある程度は覚悟していたものの、予想以上に悪いコンディションでした。
一方、ローバンドは、160mバンドの免許を得た9N1SW高木さんがフル
サイズのダイポールを上げ、JA各局とのQSOの為に、昼夜逆転の生活で臨
みました。運用期間が短いうえ、リグのトラブルなどもありましたが、約50
局(殆どがJA)とQSOできました。3.5MHzでもやはり9N1SWが
奮闘し、JA各局に9Nをサービスする事ができました。7MHzも、まずま
ずといったところで、9N1OW谷本さんがCWで、9N1UL木村千良が主
にSSBで、時間と状況の許す範囲で運用しました。私たちがシャックを構え
たネパールスカウト本部では、国王の生誕50周年を祝い、全国各地から集
まったスカウトの大切な式典が開催されており、そこで使われている旧式アン
プには、いくらパワーを絞っても見事にアンプIが入ってしまいました。当然
高周波対策などはされていないのでしょう。大切な式典ですので、私たちの運
用は控えざるを得ませんでした。
モデル・プライマリー・スクールを訪問
毎年、多くの会員の方々から「ネパール学校募金」を通じてご協力していた
だいていますモデル・プライマリー・スクールを視察してきました。当日は、ま
ず校長室で、「ネパール学校募金」から1000ドルの寄付の贈呈式を行った
後、アンジュ校長先生の案内で、各学年の教室を見学しました。それぞれの教
室の壁に飾られた生徒の作品や教科書などは大変興味をひかれるものでした。
校舎の壁のペンキの塗り替えも漸次行われており、また運動場や遊具の整備も
行われていました。以前に比べ清潔な印象を受けました。4〜5年前に見学し
た際、教室のチョーク箱には小指の先ほどの大きさになったチョークがまだ大
切に使われており、驚いたり、普段の私たちの行動を反省したりしたのですが、
今年も同じでした。今回、JA2SWJ高木さんが寄贈したチョーク1000
本やJA8OW谷本さんのノートや鉛筆も、きっと大切に使われる事と思いま
す。
最後に
今回のアマチュア無線の運用は、12月27日から31日までの間、クラブ
主催のユニセフ・スタディーツアーの一環として、直接援助をしている小学校
モデルプライマリースクールの視察や、地元カトマンズの方々をはじめ、ビレ
ンドラ国王の50歳の誕生日を祝うために、私達がシャックを構えたボーイス
カウト本部にネパール全土から集まったボーイスカウト・ガールスカウトとそ
のリーダーの方々との交流の合間をぬっての運用でした。コンディションが大
変悪く、また、参加メンバ−が当初の予定より減ってしまったことなどから、
アンテナの設営も含め、思うような運用ができませんでした。昨年威力を発揮
した7MHzの2エレ八木も上げる事ができず、バターナットのみとなり、あ
まり強力な信号を送り込めなかったものと思います。根気よくワッチしていた
だき、QSOしてくださった方々に感謝いたしますとともに、今回のスタデ
ィーツアーを支えて下さいました会員の皆様にお礼申し上げます。