2003年3月 第94号
☆☆ XV2HIF運用記
JR0HIF 太田 真輔
 2月11日から15日の4泊5日ベトナムへ視察に行きました。ベトナムは世界第2位の米の輸出国です。それと60年代からのベトナム戦争でアメリカ軍が農作物を枯らすため枯葉剤(24Dなどのホルモン剤)を大量に撒いたため、今でも作物の育たない農地がある事。ホルモン剤が今でもベトナム国民に影響を及ぼして、障害者が数十万人もいる事などを認識したいためです。
 通常は早くて1か月、最短フライト前日に日程が決まるような慌しい海外旅行しか利用しない私でしたが、今回は5か月前にベトナム行きが決まり時間に余裕もありました。ここ数年 XV3AAが7、14,21メガでよく聞こえるし、費用もずいぶん安くなっています。YB、PA、DL、F、PYへ行ったときはVUのハンディは携帯したのですが、情報と準備不足で受信のみでした。KH6や昔お世話になったW方面は、観光や娯楽に忙しくて無線どころではありません。今回、免許取得まで時間が足りると判断した次第です。
・情報収集
 JARL国際課にメールで照会したところ、数年前のCQ誌のベトナム運用記事を送ってきた。ただ、免許取得に関する内容が少なく参考にならず。
 10月にCQ誌のDXコラムでベトナム無線連盟会長XV2A Mr.Bac Aiを知り、書いてあったホーチミン市(HCMC)のアドレスにレギュレーションを英文で依頼、SASEで送る。
 11月に月刊59でXV2TAA(JA1TAA)堀田さんの事を知りメールで照会する。
 彼のベトナム運用のHPから申請用紙を印刷する。幸運にも12月中旬に本人がベトナムに出かけるので従免許の英文証明、ビザ写し、申請書、旅券の写し、レギュレーションの一部20USドルをMr.Bac Aiに手渡してあげると申し出があり、お願いする。
・ベトナムビザの個人申請
 11月中旬の段階で旅行会社の入札待ち状態で決定されず、見附市内の某大手旅行会社に相談するが、招待状(注)がないと取得できないと言われ諦める。
 ベトナム大使館のHPから旅券法が改正になった事を知り、事実確認の電話を何度もするが、録音テープのみで用件が足りない。翌朝8時に電話をしたら領事が受けてくれて、「大使館の改築工事で、ここは仮事務所で職員も引越し作業中で手薄である。」と訛りのきつい下手な英語で言い訳をしていた。
 30日有効のシングルビザ取得方法は、現金5000円とパスポートと英文の申請用紙写真を書留で送れば1週間でビジネスレターで返してくれるとの事。私のパスポートを郵送で見ず知らずの大使館に郵送するのも気が引けたが、紛失したら再発行でもいいやと思い送ってみた。
 6日後には日本語で「金5000円領収しました。」と丁寧な領収書付きビザを送ってきた。
 (後日談 旅行会社に代行を頼んだら2万円請求された方もいるようだ。)
 (注)招待状・・中国、ベトナム、アフリカ諸国のビザを取得するには渡航先の
    ホテル、訪問先官公庁、会社などが発行する招待状が必要。招待状代行業
    務なども盛んだが、人の弱みに付け込んで法外な料金を取る業者も目立つ。
・免許取得まで
 信越総合通信局発行の従免英文証明書がなかなか発行されず心配したが12月上旬掘田さんがベトナムへ発つ5日前に全て揃い後はお任せ。年末に帰国した堀田さんよりメールで「手続き完了と 現地で免許受け渡しの場所」を指示された。
 1月末〜2月になっても現地から私の免許内容、つまりコールサイン、周波数、電力、電波形式が確認できず。堀田さんも何度もメールをくださり、心配されていた。Bac Ai会長と連絡が途絶え、彼も少し焦った様子。私の出発1週間前XV3AA黒田さんと堀田さんが14メガで交信され、免許内容等が判明し自分の事のように喜んでくれた。
・二度目の幸運
 1月末に堀田さんの無線仲間のJA1EIU(3W3ZZ)松嶋さんからメールをもらい、全く偶然な事に数あるベトナム便の中でも同じ日の同じ便なので、成田空港出発ロビーで待ち合わせる事になった。
 2月11日成田空港でお会いした松嶋さんはとても快活な方で、レンタルシャックの様子、リグの調整、リニアの操作、MFJノイズキャンセラーの留意点などとても親切に教えてくださった。
 松嶋さんの今回の目的は、現地に建設中の新しいシャックのリニアアンプ数台の修理とか。定年退職後はベトナムに永住を希望されているようである。
 HCMCのタンソニヤット空港着後、松嶋さんからBac Ai会長とレンタルシャック管理のスーン氏を紹介され、下記の免許状を手渡されたのち、シャックのあるKIM DO HOTEL 9Fのチェリールームのリコンファームを終わらせた。松嶋さんとは再開を約束しここで別れた。
・運用
2月11日
 夕方宿泊ホテル着後、皆で夕食を終えて時間はすでに午後10時。筆記具とカツミのエレキーEK-155、ハイモンドの縦て振り電鍵HK-709を抱えてタクシーでシャックまで向かった。
 事前情報ではFT767GXとの事だったがなぜかFT900に。ここは9階建てのホテルだが、開発目覚しいHCMCでは周りを高層ビルに取り囲まれノイズを拾い、エアコンの音が大きくて受信音が聞こえなかった。気温35度のHCMCだが、交信時はエアコンを止めて汗をかきながらの運用だった。
運用中の太田さん 7‐14‐21を受信するも全く静かでコンデションは良くない。21のCWでCQを出してみたらBV、DU、YB、HSの近隣から1時間パイルになる。他のバンドもSSB、CWで交互にCQをだすものの、14MのCWでJA8、JA6と交信できたくらいである。
 0時過ぎに14SSBでWと交信。ネバダ州の砂漠在住のスティーブ氏の波はとても強かった。 シカゴ出身の彼と、私も1年半シカゴ郊外に住んでいたので、話題は多岐に渡り話がはずんでしまった。
 レンタルシャックの利用条件は1回15ドルを払えば別に時間制限なども無く、何時間何日居ようがシャックを出なければ1回とみなすようである。午前2時までDL、Iと交信できたが、30局になったのと今日の視察先が遠く6時モーニングコールのためやめる事にした。
2月12日
 HCMC南部のメコンデルタまでバスとフェリーを乗り継いだため移動に時間を要し、夕食を午後11時に取り宿泊ホテルに戻ったのが深夜0時近く。2日間シャックを予約していたので、眠気で気が進まないものの気力でタクシーでシャックへ。
 BY、BV、YB程度でコンディションが悪い。気晴らしにシャックの非常口から屋上へ出てアンテナを見ると、ケンプロのローテータと方向が合っていないのを発見する。今日は国内便線でハノイへ移動のため午前1時過ぎにホテルへ戻る。

2月12、13日
 2日間宿泊先ハノイホテルの6階から7と21メガでQRPで運用するものの、ホイップアンテナでは全く応答なし。地形的にもハノイは中国山脈とラオス国境に囲まれかなり辛い状態。
・免許費用
  基本料          1か月35ドル
  1バンド 3ドル X 5バンド 15ドル (1.9 3.5 7 14 21MHz)
  レギュレーション     30ドル
  レンタルシャック     30ドル (15ドルX2日)
  合計           110ドル
・ベトナムのアマチュア無線の現状
 現地で常時出れる無線局は2局。庶民の年収が8万円の国で、免許取得費用80ドルはとても厳しい。昨年ベトナムアマチュア無線連盟会長Bac Ai氏から、ベトナム訪問中の原会長にIARU新規加入の要請があり認可待ち。
XVの子供たち・ベトナム豆知識
 成田からHCMCまでは6時間半、ハノイまで4時間半。人口8千万人の農業大国。通貨はドン、100ドンが1円。現地ではドンよりもUSドルのほうがレートがよく便利。
 生春巻きが有名だが私は好きではない。ビールはタイガービールか333ビールがお勧め。
 ホンダのスーパーカブが庶民の足として重要である。夜になるとHCMCの繁華街を若いカップルが自慢のカブの二人乗りで爆走する姿は圧巻である。
 商業の盛んな最大の都市HCMC(旧サイゴン)と首都ハノイの市民はお互いライバル心が強い。
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