2005年11月 第108号
☆☆ レピータ局による非常時の通信網構築調査
JA0KR  小川 利夫
 災害時にアマチュア無線で社会へ貢献したい。日頃、クラブの仲間と話し合ってきたところです。昨年の水害でレピータ局の有効性を痛感し、さらに周波数の増設を検討していました。そこへ追い討ちをかけられた新潟県中越地震では、関係各位のご配慮で増設が即日許可されました。
 災害が一応落ち着いたことからこの免許を一旦返納し、新しく申請しなおしして正規なレピータによる二波の運用ができるようになりました。毎日の運用には二つの電波を上手に使い分けて利用しています。
 この度、「アマチュア無線による非常時の通信網の構築事業」が、見附市の市民活動支援事業として認められましたので、市内全域にわたり電波の伝播状況を調査しました。
調査範囲
見附市全域、調査地点は見附市内の全行政区から下記同じ町内は一箇所とする。
   本町 新町 嶺崎 学校町 本所 細越 元町 昭和町 庄川町(町屋町は単独)
   杉澤町 南本町 双葉町 緑町 熱田町 葛巻 柳橋町 新潟町(白銀町は単独)
   今町 上新田町  上記のとおりとすると171行政区のうち66箇所となる。
   伝播状況又は地域の実態等により津倉巻、杉澤町、名木野町を追加
   その他、栃窪町、森林公園、隣接する旧町村役場等を追加
調査地点
別記一覧表のとおり
交信方法
レピータJP0YDL局内へJH0YXLを移動して、各移動地点における439.9MHz及び291.9MHz通信状況を記録する。
  無線機A ハンディトランシーバー、内蔵ホイップアンテナ
        下車した地点において立って手持ちした姿勢で行う
        使用機 ICOM IC-T81 単3電池3本
        出力 439.9MHz 0.9W、1291.9MHz 0.2W
  無線機B 車載トランシーバー、車載アンテナ
        出力 439.9MHz 10W、1291.9MHz 1W
  通信記録の略号表示  ◎A良好  ◯B良好  △悪い  ×不能
  ハンディトランシーバーで良好の場合、車載トランシーバーテストを省略する。
各町内における調査地点の選定
原則として公共施設、公民館、集会所等とする。(ゼンリン住宅図名称を使用)
調査担当は次の方々から協力いただきました。
  基地局 JA0DRO三本文夫、JA0KR小川利夫 
  移動局 JA0ICR大関龍男、JH0ANU土田信治、JH0BOG大竹利広、JR0GSJ近藤徳太郎、JR0HIF太田真輔
調査結果
439.9MHzにおいて見附市内全域に亘り非常時の通信網を構築することができた。
  439.9MHz  新設 (支援事業の周波数)
    殆どの地域においてハンディトランシーバーで通話ができた。
    車載トランシーバーによる通話地域は田井町と旧上北谷地区。
    合わせて全地域と通話ができた。
  1291.9MHz  既設
    大半の地域においてハンディトランシーバーで通話ができた。
    車載トランシーバーによる通話地域は旧庄川地区と旧北谷地区。
    通信不能地域は旧上北谷地区、田井町、栃窪町。これは出力が1Wに制限されていること、
    地形によるもの、周波数特性によるもの等であり、外部アンテナを接続すると通話は可能。
新設439.9MHzと既設1291.9MHzの両周波数の電波を併用することにより、通信網の構築はより確実なものとなった。
調査結果(クリックすると拡大します) 詳細は、別添非常時における通信可能箇所一覧表及び通信可能地域図を参照。
 地図上からも電波伝播の状況が分かる。
注:右図をクリックすると拡大されます。
 但し、ファイルサイズが約200KBと大きいので、ナローバンドの方は表示までに時間がかかることをご了解下さい。
感想
 調査箇所が多く4ブロックに分けて1人20箇所を担当してもらいました。皆さんは地理に明るく交信は手慣れたもので、一斉にアクセスがあり基地局は記録に困るほどでした。感謝。
 また、カーチャンク(アクセスできるか調べること)できたらレピータが動作するものと思っていたところ、一定レベル以上の入力がないと機能しないことが分かりました。よって交信してみないと成否は解りません。不必要なカーチャンクは差し控えたいものです。
見附市防災・減災シンポジウムへ出席
 10月19日アルカディアホールにおいて見附市主催の標記シンポジウムがあり、JA0DRO三本さん、JR0HIF太田さんと小生の3人が出席しました。パネリストはノンフィクション作家柳田邦男氏、国土交通省北陸整備局長、県防災局長、見附市長。それにコーディネーターが加わり新潟豪雨災害と中越地震大地震の報告がありました。
 続いてのパネルディスカッションは柳田氏「災害に学ぶ地域の安全」と題して基調講演があり、「災害に強いまちづくり」について各氏が意見を述べられました。この災害で「情報の伝達がいかに大事か」と知りました。万一の災害時には、私達のレピータによる通信網を役立たせたいと思います。
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