レピータ用語集


【アクセス : Access】
 ユーザー局が電波を送出してレピータ局を動作させること。

【アップ・リンク : up-link】
 レピータ局に対して送信する周波数の電波。(上り回線)

【オフセット周波数 : off-set】
 送受信に使用する周波数の差の周波数。日本のレピータでは430MHz帯は5MHz、1200MHz帯では20MHzとなっている。(シフト幅とも呼ばれます)

【オート・レピータ機能】
 機能はARSと同様で、レピータ周波数帯に合わせるとオフセット周波数とトーン信号が自動的にセットされます。アイコム株式会社の無線機で使用される用語です。

【オートマチック・レピータ・オフセット】
 「ARS」、「オートレピータ機能」と同様の機能です。ケンウッド株式会社の無線機で使用される用語です。

【カーチャンク】
 送信機を数秒間動作させてレピータにアクセスが可能かチェックすること。頻繁に行うことは避けましょう。

【シンプレックス・モード : Simplex】
 単方向通信のことで、同一の周波数を交互に送信・受信する通信方式です。一般的なアマチュア無線の通信方式が該当します。

【タイムアウト・タイマー : Time-out Timer】
 レピータ局は多数のユーザー局が共用利用するものです。できるだけ円滑な交信を心がけて頂いておりますが、交信に熱がは入り長々と交信を続けてしまうことがあります。このようなことを避けるためレピータの利用が一定の時間を超えるとレピータが自動的に送信を停止して利用者に注意を喚起するタイマーです。タイムアウト・タイマーのお世話にならないよう円滑な通信を心がけてください。特に利用者の多い430MHz帯や1200MHz帯レピータでは注意が必要です。

【ダウン・リンク : down-link】
 レピータ局で中継された電波・(下り回線)

【デュープレックス・モード : Duplex】
 送信・受信のために専用の二つの周波数を使用する通信方式でレピータによる通信が該当します。

【デュープレクサー : Duplexer】
 レピータ装置はユーザー局からの信号を受信しながら送信機も一緒に動作させます。レピータの送受信周波数は離れていますが受信機に干渉を与えては中継することはできません。また、送受信のアンテナも共用としたいものです。アップリンクの周波数に同調が取れたバンドパス・フィルターとダウンリンクに同調が取れた高性能なフィルターがデュープレクサーです。

【トーン : tone】
 レピータを起動するための信号です。トーンスケルチ(CTCSS)に使用されるトーン信号を検出してレピータの送信部をオンにして中継を行います。CTCSSのトーン信号は40波前後の周波数がありますが、日本のレピータでは主に88.5Hzが起動信号として使用されています。起動用トーン信号は144MHz帯の第3高調波による誤動作の防止に役立っています。

【ハングアップ・タイマー : Hang up timer】
 レピータを使用する局はハンディー機やモービルなど移動運用が多いため、周囲の環境変化によるフェージングが発生します。レピータはCORの信号や起動用トーンが検出できなくなると送信機をオフします。フェージングのある信号ではオンとオフを繰り返してしまいますが、一定の時間はレピータの送信機の動作を保ちフェージングの影響を軽減します。日本のレピータではハングアップタイマーの設定時間は1秒から5秒となっています。

【レピータ機能】
 「ARS」、「オートレピータ機能」と同様の機能です。アルインコ株式会社の無線機で使用される用語です。

【ARS : Automatic Repeater Shift】
 受信周波数をレピータのダウンリンク周波数に合わせるとオフセット周波数の設定と88.5Hzのトーン信号が自動的に設定されレピータへのアクセスが可能となる機能。八重洲無線株式会社の無線機で使用される用語です。

【COR : Carrier Operated Relay】
 レピータの受信機に適正なレベルの信号が入力された場合、レピータの送信機をオンにする制御回路をさします。日本のレピータでは、誤動作を防止するためCORの信号と起動用トーンの検出信号のANDをとって送信機をオンにしています。

【CTCSS : Continuous Tone Coded Squelch System】
 音声通信に支障のない連続したトーン信号を送信電波に付加して希望の相手方の通信のみを聴取するスケルチシステムです。一つの周波数を多数の事業者で共用する業務無線で多く使用されています。最近のアマチュア無線用トランシーバには標準的装備としてこの機能を持つものが多くなっています。

【ID : Identification】
 レピータ局のコールサインで、モールス符号や音声合成により音声でコールサインが送出されるものがあります。レピータによっては利用を開始すると毎回最初に送信するものとタイマーによって一定の時間間隔で送出されるタイプがあります。