TDKアマチュア無線倶楽部 JM1ZOR発行責任者JM1EMK JARL登録番号 10−3−49 |
製作記事
梅雨時は試作箱の探検
東京 JA1KHV 松井 淳
棚上げにしていたアンテナ
今まで、自分の運用に合ったアンテナや、運用支援ツールを製作して来ていますが、幾つかのアンテナが試作段階で棚上げになっていましたので、二番目に古い「キュービカル・クアッド・アンテナ(144MHz)」を引き出してきて進展が有ったので報告します。因みに、一番古いのはEHアンテナで、木造2階の室内から岡山の局と"59"で交信できたのですが、同軸線のシールド線部への戻り対策など未完成で、コンパクトになれば成るだけ、パワーに頼る部分が存在するので、そのままに放置されています。
写真A調整機構
写真Bテンショナー
コンセプトは軽量で組み立て簡単な高利得アンテナ
コンセプトは「軽量で移動が楽く、組立てが特別なツール無しに短時間で行えて、高利得アンテナ」です。誰でも欲しいアンテナだから努力のし甲斐があるのです。 以前の試作段階で構造や主たる使用部材は選択しており、今回も再検討しましたが、費用・安定性から、材料は変りません。材料として中心母体の塩ビのパイプ(外径48 x 1m)の所定の位置に穴を設けて、スプレッドの位置を決め、そのスプレッドは木製パイプとし、その端にワイヤーを取り付けることで完成させる」でした。
写真C製作用冶具
全てのパーツ
以前の試作では、組み上げられたエレメントの先端にアンテナ線(エレメント)を這わして、線の張りを写真Aの機構で調整するものでした。しかし、この線の張り方ではエレメント長が±15mmm程度も変化し、特性が安定しませんでした。
テンショナーと冶具を自作
今回は、狙いの共振周波数に保つにはエレメント長を固定しないとならない関係から、スプレッドの一部にテンショナー(写真B)を、各エレメントに対応して設け、エレメントの取付けの簡易化を果たすと共に、アンテナ特性を安定させました。安定した製作には、冶具(写真C)を事前に作る必要が有りますが、この製作も楽しいもので、ある程度の量産も可能と思うのです。
写真E部品は塩ビパイプに収納
写真F調整中のアンテナ
完成!運用リポートは次回報告
完成した組立て前の部材の全てを写真Dに、スプレッド材は全て塩ビパイプ内に収納(写真E)しました。2階の物干し台で、ビームを上空に向けて調整中のアンテナ(写真F)に示します。 細かいチューニングと運用レポートは次回とします。
今後もすこしづつ
私の試作箱には、1回の試作では満足して永年使用できるツールにならない多くの未完成品が棚やロッカーに有ります。ここに入る物、ここから出て陽の目をみる物、今後も少しづつ紹介して行きます。