TARC NEWS 299号 2016年2月6日発行 http://www.jarl.com/tarc/
TARCNEWS
TDKアマチュア無線倶楽部
JM1ZOR発行責任者JM1EMK
JARL登録番号 10−3−49


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移動用の簡易HFアンテナ製作

東京 JA1KHV 松井 淳



写真B
写真B
写真A
写真A
モービルアンテナ2本でVダイポール製作
 移動でのHFモービルアンテナ"HF-40FXW"を家にストックしていたが、しっかりした車体接地を行わないと特性を生かせない事と、周囲の環境に左右されやすい欠点が有るので今回、同アンテナを2本利用して短縮V型ダイポール配置にすることにより、利得の向上と周囲の環境影響の軽減を図ることを目的にアンテナを製作した。



   まず、同アンテナをもう一本とバルン"BU55"をネットから手に入れた。軽量化と伸長ポールの中心から出来るけ基台を含むアンテナの重心をずらさない配置を取る事で、多少傾いた路面上に細い伸長ポールで揚げても、自重や風などでポールがしなって傾く傾向を減らす設計とした。



電気導通と機械的強度確保の基台
 シャーリングツールは無いので厚いアルミ板は利用できないので、9mm厚の合板(防食防水処理)を使用して1mm厚アルミ板で電気導通と機械強度を確保した基台に、一辺30mmのL型アルミチャンネル材から加工したМコネクター取付け金具とバルン取付け、本基台一式をポールに取り付けるUボルトと、ポールへの取付けを確実にする補金具も軽量化の為、コ型アルミチャンネル材を削って製作した。



写真C伸長ポール中心との取付け位置
写真C伸長ポール中心との取付け位置
 製作した基台を写真A/B、伸長ポール中心との取付け位置を写真Cに示す。



一式954gと軽量化成功
 結果、アンテナ一式重量を954g (HF-40FXW2本、バルン・取付け金具を含む)で仕上げられた。また、各"HF-40FXW"のエレメントを伸長する量(cm)をパラメータ(2〜7cm、1cm間隔)に測定したSWR特性(クラニシ:BR-510A使用)を図-1に示す。
利用する周波数に合わせエレメント長の微調が必要であることが知れる。


地上2.8mH車体より1.1mHでもSWR2をキープ
 これらの測定は図-2に示す環境で行った。

 計測時の本アンテナの給電点は2.8mHながら車体上部との距離は1.1mHと低いにも拘らず、SWR=2をキープしている。実際には給電点を約4.5mHまで伸ばせるので、より周囲の影響を受けない特性となる。本図には普段使用している7MHzバンド固定長の逆V型ワイヤーダイポールアンテナの特性(本試作品より非常にワイドレンジ)も併記したが、SWR値の絶対値は設置環境で変化するので参考までに観てほしい。







SWR測定データ
SWR測定データ
測定システム
測定システム
風が強い日も平然と立っていた
 特性計測日は風が強かったが、耐風のステー無しで4.5mHまで伸ばしても、風やアンテナの重さで伸長ポール(Φ38 max.)がしなる事も無く平然と立っていたのには心強かった。"HF-40FXW"は最短91cmに収納できることから、足で移動する運用でも使えると思っている。 (終わり)









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