TARC NEWS 364号 2018年7月16日 http://www.jarl.com/tarc/
TARCNEWS
TDKアマチュア無線倶楽部
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完成の姿
完成の姿


144MHz10エレ八木 ( DiamondーA144S10R )4パラ化

長野 JA0DVE 平野正紀

「 検討の経緯 」
 安価にスタックが組める,このアンテナですが,エレメントの固定がやや弱いと思われ,小局の自宅で地上高で26mに上げていたところ昨年の秋の台風でエレメントが緩んでしまい,何本か脱落してしまいました。

組み立て中
組み立て中


 おまけに、HFのトライバンダー(TA−371)の振れ止めロープが切れ,70°位向きが狂い何とかしようと考えていたところ,知人が不要になった同型のスタックが不要になり貰えることになり最初は交換だけにしようとしましたが,折角2スタックもあるので,並列に4パラ化できないかと考えが浮かび,第一電波の技術部門に問い合わせたところ,「実績は無いが,理論的には可能です。」の回答がありスタック整合器を一個入手すれば出来そうで早速購入しました。

高所作業車で取り付け
高所作業車で取り付け


「 シミュレート 」
 このスタックはどの様な動きになるか解らないので,シミュレーションソフトの「MMANA」で解析したら「フロントGAINー18.68(メインローブ)」 とかなりの DATA が出ました。
カタログDATA 1では,1スタック フロントGAINー13.50と記載あり。

 スタック間隔も,標準より15mm広げるとサイドローブも最小となるようで,スタック間隔はこれで 合せています。

 マストは自宅で使っていた,ステンレスの物干し竿35mm経,5mを使いました。 取付後の総重量は 18.5kgと結構あります。
 問題が一件あります。スタック間の整合器の片側ケーブルが15cm足りない!!

もともと1スタックだけをする目的で製造しているのでこういうことになったわけで,リニアアンプのおまけで付いていた30cm程度ある5C-2VのMp-Mpケーブルを付け延長した。

**このことが原因と思われ,後日スペアナの測定でサイドロープの発生原因となる **



自宅の畑から
自宅の畑から


「 設置計測 」
 クランクタワーを一杯にダウンしても設置するマスト高さまで16mもあり,こんな重量物を持ち上げる力は無いので,知り合いにテレビや共聴設備のアンテナ工事をしている会社があるので相談したら,「 高所作業車でやれば容易であり,我々に任せろ 」とのことで,作業費もかなり勉強してくれた金額になりました。

 作業もトライバンダーの方向修正,50MHz5エレ八木増設も合せて半日(3人工)でした。

50MHz八木は90°方向がずれています( トライバンダーの21MHzに干渉した為 )

飛行クラブで機体の無線検査をした後,若手に頼み我が家で機体を計測したスペアナで実施しました。

「 F-Gain MAX 20.24dB 」とシュミレートした値より強くこれにはビックリ!!

ただし右側の「 第2サイドロープに8dB 」とかなりの値が出ている。 これが,整合器の同軸ケーブルを足した為かと推測します。



「 運用結果 」
 かなりの細いビームパターンになっていますが,関東圏の横浜市などは,互いに方向が合えば,FM でも 59−59 で交信可能です。

 アンテナの直下にプラボックスを置き,中に 「50wのリニアアンプ HL-62 」を設置しています。 電源とSTBYケーブルは,シャックの電源と無線機から引き回してあります。

 受信のアンプも良好で,電源オンで Sが 2.0〜2.3上がるので20dB位あるでしょうか。 同軸ケーブルは8DFBを30m使用。ロスを計算すると,10wが上では7文目位に下がる為の処置。

条件がいいので,144MHzのSSBで遊んでいます。 現在交信済のエリアは,0,1,2,3,4,6,7,8,9 で,かなり実用になることを実感しました。



 
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