D-STARトランシーバーは単体でもかなり有効な使い方ができることがわかりましたか。みなさんも,ぜひこの機会にローカル局といっしょに,D-STARのローカル局間ネットワーク作りに挑戦してみてください。 |
ローカル局間のネットワーク作りの次はレピータです。 前にも紹介しましたが,現在,全国各地にお約60局のD-STARのレピータ局・アシスト局が設置されています。 このレピータ局・アシスト局を上手に活用すると,D-STARトランシーバーの交信可能範囲はさらに大きく広がります。 レピータはデジタル音声通信用とデジタルデータ通信用で,別の系統に分かれています。 デジタル音声通信でのリアルタイム性を重視し,信号の遅延などが起こらないように配慮した結果です。 また,平成20年夏からは海外のD-STARレピータとの接続も開始され,D-STARのネットワークは日本から世界へさらに広がりました。 |
D-STARのレピータは,使用するレピータのコールサインを指定してアクセスします。 指定したレピータがアクセス可能な範囲の局とのデジタル音声通信やデータ通信が可能です。 無線機単体のローカル局間ネットワークが,レピータの活用でさらに広がるわけです。 |
●レピータを結ぶアシスト局 |
レピータがカバーする範囲のことを「レピータサイト」と呼んでいますが,このレピータサイト間を接続するのがアシスト局です。 D-STARのアシスト局には10GHz帯のアマチュアバンドが使用され,伝送速度10Mbpsでレピータ局間の中継をおこないます。10Mbpsはイーサネットの10BASE-Tと同じ伝送速度です。 レピータサイト間をつなぐアシスト局通信は4カ所まで接続が可能で,アシスト局で結ばれた4つ(以内)のレピータサイトの部分をゾーンと呼びます。 右の図は3つのレピータサイトを結んだゾーンのイメージです。 D-STARトランシーバーは利用するレピータのコールサインを4つまで指定することが可能ですから,ゾーン内のレピータのコールサインを指定しておけば,交信の相手局がゾーン内のどのレピータサイトのカバー範囲にいても,交信することが可能です。 |
●インターネットで他ゾーンのレピータへ接続 |
D-STARのレピータはゲートウェイを介して,インターネットに接続し他のゾーンと接続中継をおこなうことが可能になっています。 |
なお,D-STARレピータ設置の公募を開始する段階では,アシスト局中継を使用しないで,インターネットにゲートウェイ接続される単独のD-STARレピータが設置される可能性があります。 この場合,そのレピータのカバーエリアがゾーンとなります。 みなさんもD-STARに挑戦する時には,レピータを有効に活用するために,JARLに登録をおこない,IPアドレスの貸与を受けるようにしてください。 |
レピータ局(アシスト局)のハードウエア |
●レピータサイトの構成 |
レピータサイトの構成は右の図のようになります。 デジタルデータ系通信と音声系通信は,それぞれ別のレピータで動作し,インターフェースを介して従来のアナログFMレピータにも接続可能です。 レピータサイトにモデムを置き,有線回線に接続するとインターネットにアクセスできます。 また,サーバーを接続すると,D-STARトランシーバーでサーバーにアクセスができるようになります。 |
●レピータサイトの詳細 |
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上の図はデジタルデータ系通信,デジタル音声系通信およびアシスト局の部分の構成と接続例を示しています。 それぞれのレピータサイトはコントローラーによって制御されます。 アシスト局を介した中継送信では,データ用レピータやデジタル音声用レピータからの信号を多重化して,アシスト局に送り送信します。 逆にアシスト局が中継受信した信号は,このコントローラーで分けられて,データレピータと音声レピータに送られます。 D-STARのレピータ局・アシスト局では,データレピータ/音声レピータは合計4台まで増設でき,またアシスト局は3台接続可能です。 |
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