東北総合通信局規正用無線局とJARLガイダンス局の連携運用報告(岩手県支部)

 JARL岩手県支部監査指導委員会では、主としてガイダンス局を運用して電波法令に違反したアマチュア無線局へメッセージ送信等で周知活動をしております。
 この度、東北総合通信局規正用無線局とJARLガイダンス局の連携運用を初めて岩手県内において行い、違法局や不法局に対して直接指導を行ったので、以下に報告します。 

・日時:2022年8月5日(金)10:00~12:00

場所:岩手県紫波郡紫波町上松本地内
 上松本公民館

・参加者:東北総合通信局監視課景山課長以下4名
 JARL側は東北地方本部から尾形本部長、伊藤監査長、岩手県支部から遠藤支部長、佐藤監査指導委員長など6名  

・実施状況:東北総合通信局規正用無線局の発報6回(使用区分違反、呼び出し符号不送出等)
 アマチュアガイダンス局の発報17回(使用区分違反3回、呼び出し符号不送出12回、通告2回)

・視察:栁島東北総合通信局長

【岩手県の不法局運用状況】

東日本大震災からの復興事業に伴う、 ダンプ゚等と思われる車両に取り付けた無線機を使用し、仲間同士の連絡や一部地域では会社ぐるみで業務に使用している不法局が多く存在しています。アマチュアバンド内での交信ルールを守らない局が非常に多くみられる状況です。
これらのアマチュア無線局に対して、東北総合通信局の規正用無線局とJARLガイダンス局の「連携運用」は、宮城県、福島県、青森県、山形県に続き東北では5県目で、岩手県では初めての運用になりました。
 スムーズな運用が出来るように、前日に会場の下見準備と事前打合せを行いました。


【場所の決定】

実施する場所については、

雨天などに左右されない屋内場所

交通量の多い、盛市周辺や、国道4号線、東北自動車道など、広範囲からの受信が出来それに対応できる送信が出来る高所  

を考慮し、「紫波町の上松本公民館」に決定しました。

【無線設備】

・ガイダンス局名:あまちゅあがいだんす7

・アンテナ:GPアンテナ(標高約180m)

【運用状況】

 当日の実施時は、別アンテナと無線機、広い帯域をモニタできるSDR受信機を用いて各バンドをモニタし、隣席に配置したガイダンス局運用者と連携しながら指導を行いました。
 また、その状況を、さらに隣接配置された東北総合通信局が運用する規正用無線局担当者へも都度連絡し、連携を図りました。
違法のアマチュア無線局に対して、先ずガイダンス局がメッセージを送信し、指導の効果が見られない同一の局に対して、規正用無線局が適正運用についてのメッセージを送信しました。殆どの局はガイダンス局のメッセージで交信中止しますが、まれにメッセージを無視して交信を続ける局があります。その場合、規正用無線局からのメッセージ指導があると交信を中止するので、規正用無線局からのメッセージは非常に効果がありました。

【運用後の感想】

 バンド幅が広い430MHz帯での不適切な運用が非常に多い事を確認出来ましたので今後の監査指導業務に生かしたいと思います。
ガイダンス局単独運用だけでは無視されるケースが多々ありますが、規正用無線局のメッセージの送信で不法局交信が止まり効果絶大でした。
今回は栁島東北総合通信局長が現地を視察され、報道対応いただきました。
 NHKと民放3社の取材を受け、NHKは昼と夕方、民放各社は夕方の番組でそれぞれ取り上げていただき、大きな反響がありました。私共としても非常に貴重な時間を頂けたことに感謝いたします。

【報道取材】

地元テレビ放送局(NHKIBC岩手放送、TVIテレビ岩手、MIT岩手めんこいテレビ)の取材があり、事前に東北総合通信局景山課長から詳しい説明を受け、実際の連携運用の取材の最後には、栁島局長から視聴者向けのコメントをいただくなど、報道各社の関心は非常に高く感じました。

         

                                                                                    レポート:JARL岩手県支部長 JA7UES 遠藤隆史