東北総合通信局規正用無線局とJARLガイダンス局の連携運用報告(秋田県支部)

 JARL秋田県支部監査指導委員会では、主としてガイダンス局を運用して電波法令に違反したアマチュア無線局へメッセージ送信等で周知活動をしております。
 この度、東北総合通信局規正用無線局とJARLガイダンス局の連携運用を初めて秋田県内において行い、違法局や不法局に対して直接指導を行ったので、以下に報告します。 

・日時:2023年11月28日(火)10:00~12:00

場所:秋田県秋田市椿川地内
 秋田市雄和サイクリングターミナル

・参加者:東北総合通信局総合通信調査官、上席電波監視官ほか4名
    :JARL側は東北地方本部から尾形本部長、秋田県支部から渡辺支部長、石川監査指導委員長ほか4名  

・視察:東北総合通信局工藤電波監理部長

・実施状況:東北総合通信局規正用無線局の発報11回(使用区分違反、呼び出し符号不送出等)
      :アマチュアガイダンス局の発報41回(使用区分違反8回、呼び出し符号不送出33回)



【秋田県の不法局運用状況】

 雄物川水系地区堤防工事事業に伴う、ダンプ等と思われる車両に取り付けた無線機を使用し、仲間同士の連絡や一部地域では業務に使用しているなどアマチュアバンド内での交信ルールを守らない局が非常に多くみられる状況です。
 これらのアマチュア無線局に対して、東北総合通信局の規正用無線局とJARLガイダンス局の「連携運用」は、宮城県、福島県、青森県、山形県、岩手県に続き東北では6県目で、秋田県内では初めての運用となりました。

【事前打合せ】

 スムーズな運用が出来るように、実施日時の調整、実施場所の確認、雨天時の対応、場所の選定理由、運用手順等について、事前打合せを行いました。

【実施する場所について】

① 雨天などに左右されない屋内場所

② 標高が約64mの丘陵にあり、広範囲からの受信が出来、それに対応できる送信が出来る高所を考慮し、第3セクターの施設であり、このようなイベントには協力的であることから、「秋田市雄和サイクリングターミナル」に決定しました。

【無線設備】

・ガイダンス局名:あまちゅあがいだんす7

・アンテナ:GPアンテナ(地上高15m)

【運用状況】

 当日の実施時は、別アンテナと無線機を用いて144MHz帯と430MHzバンドをモニタし、隣席に配置したガイダンス局運用者と連携しながら指導を行いました。
 また、その状況を、さらに隣接配置された東北総合通信局が運用する規正用無線局担当者へ都度連絡し、連携を図りました。
違法のアマチュア無線局に対して、先ずガイダンス局がメッセージを送信し、指導の効果が見られない同一の局に対して、規正用無線局が適正運用についてのメッセージを送信しました。殆どの局はガイダンス局のメッセージで交信を中止しますが、まれにメッセージ送信後も無視して交信を続ける局があります。その場合、規正用無線局からのメッセージ指導があると交信を中止するので、規正用無線局からのメッセージは非常に効果がありました。

【運用後の感想】

 144MHz帯とバンド幅の広い430MHz帯での不適切な運用(呼出符号を送出しないで運用、レピーターや宇宙通信で使用すべき周波数での使用区分違反)が予想以上に多い事を確認出来ました。ガイダンス局単独運用だけでは無視されるケースが多々ありますが、規正用無線局のメッセージの送信により不法局交信が止まることから、その効果を再確認しました。
アマチュア無線は趣味として、ルールを守り正しく楽しく運用してほしいと思います。

【報道取材】

 地元テレビ放送局等(AKT秋田テレビ、秋田ケーブルテレビ、秋田魁新報)の取材があり、事前に東北総合通信局総務部企画課長から詳しい説明を受け、実際の連携運用の取材の最後には、現地を視察された東北総合通信局工藤電波監理部長から視聴者向けのコメントをいただくなど、報道各社の関心は非常に高く感じました。そして、夕方にはAKT秋田テレビ、秋田ケーブルテレビはヤフーニュース、秋田魁新報は翌々日に取り上げていただき、大きな反響がありました。          

JARL秋田県支部長 渡辺和弘