上級ハムの国試問題をうだうだ解くコーナー 第2弾


平成27年12月1アマの無線工学から、めんどくさそうな問題を抜粋        AEGの部屋に戻る

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A-3 
図に示す直流回路において、直流電流I₁の値が3〔mA〕のとき、直流電圧V₃の値として、正しいものを下の番号から選べ。 






















1 2〔V〕
2 3〔V〕
3 4〔V〕
4 6〔V〕
5 8〔V〕


国試に出題される定番の問題です。
キルヒホッフの法則を使います。 覚えていますか?
筆者も正しい文言を覚えていないのでCQ出版社の「上級ハムになる本」を引っぱり出しました。

それによると、
キルヒホッフの第1法則
「回路網の任意の1点に流入する電流の代数和は零である。」
<図1>
















交差点に入ってくる電流をプラス、出ていく電流をマイナスとすれば、入ってくる電流の合計と出ていく電流の合計を足せば零になる。
A+B+C=0
上図は3差路ですが4差路でも5差路でも同じ。 これはどこか途中で電流が漏れ出さなければA+B=Cであることは容易に分かります。


問題なのは

キルヒホッフの第2法則
「回路中の任意の閉路において、各部分の電圧降下の代数和は、その閉路に含まれる起電力の代数和に等しい。」

堅苦しくて何を言いたいのか分かりません。 そう…。**の法則の文句は大抵そのままでは理解しにくいのです。
だから自分なりの文章を作り直さないまでも、漠然と何を言っているのかを理解していることは大切です。

さらに、問題には記号の説明に「
直流電圧」とあります。
昔、豆電球を使った学校の実験では乾電池を使っていたのでこの記号を見ると「
電池」をイメージする方も多いと思います。
キルヒホッフの法則には
起電力」とあります。個人的には「直流電源」といつも言っています。
学者や専門家の間では正しい用語があるのでしょうけれど、この場合
皆同じものとして理解しておいてかまいません

まず、「閉路」と「電圧降下」分かりますか?

「閉路」どこを閉路というのか?

<図2>

赤も「閉路」、緑も「閉路」、青も「閉路」です。回路の中でぐるりと1週回ってスタート地点に戻るように閉じている所。途中で折り返す復路があるのは閉路ではありません。
青は途中に分岐があるから一見閉路ではない?と思われがちですが、V₂のある真ん中の列とV₃のある右の列は縦の部分をまるごと並べ替えてみると(図3)青も閉路であることが分かります。

もちろん図3における赤も閉路です。

<図3>

再び図4をご覧ください。
I
₁、I₂、I₃ 
の矢印の方向は一見、直流電源の方向からすべて上向きにしたくなりますが(それはないです!集まった電流は行き場がなくなります?HI)
また、電源の向きからプラス極からマイナス極へは流れないのでは?と思いたくもなります。でも場合によっては逆に流れます。

 電流の方向はとりあえず、便宜的に(第1法則に則って)決めます。
図2や図3に示したようにI₂、I₃の電流の方向を便宜的に下向きにして第1法則の I₁=I₂+Iが成立するように方向を付けます。
(実際はこの向きではないかもしれないけれど、かまわない)
そして
便宜的電流の方向に対し逆さに付いている電源電圧はマイナスにします
この「便宜的」が気持ちの中で割り切れないと難しく感じると思います。 

 良く誤解されるのは、R₁の下にV₁の12Vの電源があるので、この電源ばかりが気になりますが、他にも2か所に電源があり、抵抗もR₁以外にR、R₃があるので全体を見ていかないとR₁の電圧降下はわかりません。
電圧降下と言う名前は抵抗が入ることによってそこで電圧が下がるからそう呼ばれるのでしょうかね?


 「電圧降下」
「電圧降下」例えば上のR₁に電流が流れるとR₁の両端に電位差(※)ができます。この電圧はR₁に何アンペア流れているかで決まってきます。(オームの法則 E=RIで計算できます)
余談ですが、電源が入った状態でR₁の前後をテスターで電圧の測定すれば**Vと出ます。この値が電圧降下です。
電圧と電圧降下は単位に同じ「V (ボルト)」を使いますが意味が違います。
こういう似た用語の解釈が、学問っぽくて面倒くさいです。

 ※「電位差」・・・これも専門用語っぽくて「電圧」とどこが違うのか?疑問に思うところです。
自分で書いておいて??が次々出てきてきりがありません。

例えば2点間おいて電圧を測定したら何ボルトか出たとき、その2点間には電位差がある。と言います。
0Vだったら電位差はない。と言います。
電位差があっても電流が流れるか否かはそこに流れる道があるかで決まります。
ちなみにAB間に1MΩの抵抗を置いても流れます。
(どれくらい流れるかは他との相関関係で決まります。)
試験における回路図では線のないところは無限大の絶縁体という解釈です。

このことの理解が結構大事だったりして・・・

寄り道をしてしまいました。先に進みます。

ここからが解くための説明
<図4>