特集 CWで交信するときのマナー


 先日、当クラブのご意見番である高桑OMから「最近のCWの交信では、特にコールする時のマナーが悪すぎるので、ここで再考してみてはどうだろうか?」とのご意見をいただいたので、当局は決して模範的な無線局ではありませんが、自分のことは一旦棚に上げて、「こうではないかな?」「こうあるべきかな?」と経験に基づき(個人的な意見もあり恐縮ですが)書いてみました。

1: 呼ぶ局はCQを出している局の速度に極力合わせる。

 CWを覚え始めた頃、OMから「送信スピードは遅い局の方に合わせるのがマナー。」そう教わりました。

 それは、速いモールスが取れる局は遅い符号は取れるが、遅いモールスしかとれない局は速い符号は取れないからです。(いや~遅い符号も取れないんだよ!そんなOMもいらっしゃるでしょうが・・・)

 交信は双方のやり取りで成立するものなので、お互いの符号が理解できるには遅いスピードに合わせるのは理にかなっています。 ※

 筆者はそう聞かされて、CWにデビューしたものの、「ビギナーが図々しく、速いCQに自分からコールしておいて「PSE QRS」なんか打てない。」そう思っていました。

 振り返ってみると、「この局のCQは速いな?」 と思ったものの、交信したくてコールしたことが何回かありました。「599 BK」で終わってしまう交信は別として、当時はQTHもJCC、JCGナンバーではなくローマ字で送信するのが一般的で、ラバースタンプQSOでは最低限、リグの紹介、運用場所の天気を送信していたので、相手のコールサインが分かったとしても、相手はいろいろ打ってくる事が多く、1交信が現在よりも長く、ビギナーが速いCQにコールするときはそれなりにプレッシャーが掛かりました。
         
 今でも大半の局は、スピードに多少差があってもそのままのスピードで交信が進むことがほとんどです。
 それは「当局のコールサインが取れたのだから呼んでくれたのでしょう?」そう思っているか、取れなかったら「PSE QRS」と打ってくるだろう」と思っているからだと思います。

 コールする局のスピードがCQを出している局より早いこともざらです。「これくらいなら相手も取れるだろう?」 ビギナーにはマウンティングに感じると思いますが、おそらくマイペースなだけで深い意味はないと思います。

 エレクトリックキーヤーの場合、一旦空打ちをして速度を調整しないといけないのでひと手間掛かります。「まあこのスピードでコールしてもいいか?」 気持ちは分かります。面倒と思わず、きっちり合わせることが望ましいと思います。

 通常のCQで、どうしても速くて取れないときは 「PSE QRS」、 筆者がデビュー当時打てなかった 「PSE QRS」 今は躊躇なく打てます。
 CWを35年やっていても取れないものは取れない。

  偏屈者か耄碌していなければ相手は速度を下げてくれます。

  ただ、じれったいのか?縦ぶりの局は一旦はスピードが下がるのですが、だんだん元のスピードにもどってしまう局もいらっしゃいます。ご本人は気づいているのかな?
  
  ※
 コンテストやDXペディションでは、仮に取ってくれたとしてもスピードは下げてもらえないのが通常です。
 CQを出している局のスピードよりも高速でコールした場合、相手の技量で取れる場合は応答があります。(当たり前のことなので書くほどのことではありませんね)
 
 おまけ: 
 昔 JA1OEM/豊福OMが珍エンティティーからCW運用をされたときは、記憶では7WPMのスローキーイングでCQを出されていました。
 著名なJAのDXerの皆さんはCQにスピードを合わせてコールしていました。
 DXペディションでは各局が蜂の巣をつついたようにコールして殺伐とした空気になることがよくありますが、このときはほのぼのとしていました。 (失礼ながら)CWを得意としてないOMがCWでのサービスをしてくださることへのリスペクトがそこにはあったと思います。
 もちろん、ここで「うりゃ!うりゃ!」っと高速でコールしてもコールバックは自分には来ないことは皆さんご承知です。
 


2:コンテストや通常の運用でCQを出している側がオンフリケンシー(俗に言うオンフレ)で受信している場合、呼ぶ側のマナー

 自局のコールサインをフルコールで1回だけ呼ぶ。

 
サフィックスだけでコールしたり、みんなが呼んだ後にコールするのはマナー違反です。
 DXペディションの様なスプリットでの運用でないかぎり、オンフレでこれをやれば、コールバックが聴こえないから、CWでもPHONEでもみんなから嫌われます。 フォーンでも多いですね!

 サフィックスだけ呼ぶ局の心理としては、「どうせプリフィックスは重なって取れないだろう?どうせ 「AEG?」と打たれるのだから最初からサフィックスだけにしてしまえ!」 でもこれは(繰り返しになりますが)バッドマナーです。 

 ただ、ピックアップしている側からしてみれば、重なって取れない後にポツッっと単独で呼ばれると取りやすいのは当たり前です。 前述したようにプリフィックスのグチャグチャの後にサフィックスだけ聴こえることはよくあることです。
 筆者も取れなくで、ポツッと後に呼んできた局をピックアップしたことは何度もあります。
 パイルを裁くのは苦手です。もっと精進します。

 もしもCQを出している局がこの最後にコールした局をピックアップしてしまえば、この後みんなも同じことをしてしまうキッカケを作ってしまうことは必至!!。
 「最後に呼べば取ってくれるのか~」皆そう思います。

 それの最悪の状況として永遠と後ろに連なる現象・・・コールが鳴りやまない。 
 QSOレートが下がるので嫌気がさしたCQ局はQSYしてしまいます。

 筆者も先日20分間、清く正しく呼んでいましたが、CQを出している局が皆がコールした後の(俗に言うレイトコール)局しか取らないので、辛抱しきれずに一呼吸置いてから呼んでしまいました。 すいません。他局を避難できません。

 
結局これを解消する手段はCQを出している局のオペレート技術と毅然とした対応にかかっていると思います。スーパーコンテスターやDXペディションの一流のオペレーターはフルコールでコールバックして来ます。スマートでカッコイイです。
   
 
 フルブレークインを使いましょう。

 自分が送信しているときでも相手が誰かをピックアップしている時はすぐに送信をやめ、受信に務めるべきです。 
 相手がピックアップしているのに呼んでいてもあなたは取ってもらえない。当たり前のことです。
 しかもみんなにコールサインを覚えられてしまい、非難され嫌われるだけです。セミブレークインしかないのであれば仕方ないですが、出来ることならフルブレークインで送信の合間でも、耳を傾けましょう。


 ➂ 指定無視はやめましょう!

 「EU」ヨーロッパ指定とか、「NA」北米指定は一流オペレーターはJAが呼んでも絶対に取らないから、さすがに呼ぶ局はいませんが、「JE1?」だと自分のコールサインに1文字も入っていないのに呼んでいる局がいます。 CQを出している局の指定を聴いているのか無視しているのか?やけくそなのか? 自分のコールサイン以外の符号は耳を傾ける気がないのか????
 
 「呼び倒せば、いつかは呆れて取ってくれるだろう?」これだけはやめてほしいです。

 迷うのは「JA?」、「日本は呼んでよいのか?」あるいは「JA1、JA2を呼んでいるのか?」筆者は「JP1」ですから、呼んでもよいのか? 誰を取るか1回様子を見ようかな?このワンチャンスのあと「JR1」を取ったらその後、ドパイルになり、「呼んでおけばよかった」こんな後悔は何度もあります。
 このようなケースは、筆者も共感します。
 


 ➃ スプリットでも、オンフレでも、CQを出している周波数の真上でチューニングするのは、やめましょう!

 「自分さえよければ、他の局は聴こえなくても知ったことではない!」 そんな心境なのでしょうか?
 特に自分のコールサインを送信するところではないので、「犯人は分かるまい!」ひらきなおっているのでしょうか?
 そうなるともはや「マナー」ではなく確信犯です。 
 
 筆者はチューニングするときはTXを使って数キロ上でキャリアを出すようにしています。
 しかもローパワー!(フルパワーでは、スプリアスも出る上にあばれて、オートチューナーの同調に時間が掛かるか、最悪同調ができないからです。)
 WWのコンテストの様なバンド内大混雑の時は正直、めちゃ気を使います。RXで確認しますが、もしかしたら他局のランニングにかぶせてしまったかもしれません。 懺悔です。 

  


3: マナーというか、符号どうしはくっついているよりは間隔が空いている方が相手は取りやすい。きれいな符号で送信しましょう。

 TU(Thank you) が 「- ・・-」ではなく「-・・-」くらいならみんなも分かってくれますが、 
 JAが「・---・-」 JNが「・----・」になっている局は本当に多いです。
 百歩譲って、コールサインの頭なら「・---・-」で「WRとか、AQは無いな!」と分析できますが、交信途中でくっついている符号は何を打っているのか(違う単語に変換されてしまうので)分かりませんし分析する余裕もありません。
 定型文で慣れれば取れるのかもしれませんが、異なる符号に取られてしまうモールスは改善したほうがよいと思います。
 CQを出して「この局にコールすると受信にストレスがたまりそうだからやめておこう」と敬遠されるケースが少なくなると思います。

 和文の濁点、半濁点がくっついている局も多いです。「デ」が「・-・--・・」とか「ガ」が「・-・・・・」とか、「ぺ」が「・・・--・」とか・・・。
 ほとんどの場合、本人は自分の符号がくっついるとは思っていないと思います。
 よほど師弟関係が成立している局でない限り自分を棚に上げて問題点を指摘するのは、人間関係を壊したくないと思えば言えないものです。

 筆者は「偉そうに・・・」と思われたくないから、親しい仲でも言えません。 
 だから、なかなか改善していただけない・・・。
 でも気づいてほしいです。 
    
 7MHzでよく聴こえる交信で、この納豆状態のQSOを平然とやっているOM各局がいらっしゃいます。
 「俺たちはこれでなに不自由無くやっているのだから、君たちが精進しなさい。」
 そう言われてしまうかもしれません。

 ぶちゃけ、「こちらから彼らを呼ぶことはないし、彼らは彼らだけで納豆王国で勝手にやっていればいい」 と思っていました。

 でも、CQを出すと時々呼ばれてしまうので、「皆さんきれいな符号で送信しましょう!」
 お互いが遠慮なく「直した方がいい」と言い合える、仲間が必要なのかもしれません。
 筆者も極力きれいに打てるように努めたいと思います。
                                            DE JP1AEG

   トップページにもどる