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移動運用
無人島の南島に上陸
2012年・小笠原諸島 父島/JD1移動運用の記
JA8ALT/1 中村公隆(横浜)
「一度は行ってみたい、世界自然遺産/小笠原諸島・・・」と、いう事で2012年TARC初夏の移動運用先は小笠原・父島と決め、竹芝桟橋を6月7日に台風通貨後のうねりの中出港し、太平洋の彼方へ向けて乗り出しました。
小笠原諸島は2011年にユネスコの”世界自然遺産”に指定され現在は、渡航者数の抑制や外来種持込防止対策等が実施されるようになっています。
25.5時間かけて6月8日 午前11時半過ぎに到着した梅雨明けの父島・二見港の第一印象はひたすら蒸し暑いことでした。
船上で
やっと父島へ到着
タコの木
民宿2軒に分宿して荷物を置き、到着初日には父島内をバスで3時間巡るツアーに出発しました。
“父島”島内の特異な動植物の生態や、外来種に拠る侵略を受けている状況のガイドを受けながら、2×8Km程度の狭い島内を3時間以上かけてのツアーで、太平洋戦争当時の軍事建造物の残骸や、本土から1,000Km離れている事に意味がある国土地理院のVLBIや国立天文台のVERAの大型パラボラ・アンテナを見る共に、住宅地では何軒かに立派なアマチュア無線のアンテナ・タワーが建っているのが確認できました。
夕食後何処なら問題なくアンテナを上げられて上手くQRV出来るのか・・と、議論を重ねましたが野外でできない場合は民宿の屋上に設置させてもらうことで交渉することにしました。
アカガシラカラスバトのサンクチュアリ
初めて見たリュウゼツランの花
島の固有種「ムニンツツジ」
2日目の6月9日は朝から運用地を探してみましたが、公園など共有スペースは色好い回答は得られず、各々の民宿にアンテナを設営してQRVを試みることに落ち着きました。
それぞれ3.5〜50MHzの各バンドをくまなくワッチすれどもアラ不思議・・・、ナント思惑とは異なり、どのバンドに於いてもCW局の1つすらも聴こえて来ないではありませんか。 (あとで判ったことですがこの日午前中は6mがオープンしていたようです。)
21MHzで海外と交信中
7MHzもコンディションが悪い
JD1BMGとアイボール
それでも根気良くワッチすると、21MHzで少しは信号を確認できるようになったのでJQ1KSMを呼んでみると取ってくれ、JM1ZOR/JD1の初交信が成立しました。
このあとCQを連発し海外を含む20数局と交信できました。夕食後は7MHzでCQを出し続け50数局と交信できました。
6月10日は朝から何も聞こえません。仕方なく昨日訪問いただいたJD1BMG初見さんをたずねて島ブラを決めました。湾の反対側にそれらしいアンテナを発見、訪ねてみるとJD1BBH山田さんでした。ここで初美さんは境浦と聞かされて更に30分ほど歩いて訪問し、アイボールQSOもできました。
宿に戻り昼食後もコンディションは一向に良くなりません。それでも根気良くワッチすると、24MHzが聞こえました。結局この日の成果は21MHzと合わせて数局の交信でした。
6月11日は午後2時に出港し帰路に着かなくてはなりませんが、午前中に父島周辺を船で4時間かけて巡るクルーズ・ツアーに出ました。
南島へ上陸
海亀の産卵場所
絶滅したヒラベソカタマイマイの化石
隣接する無人島にして自然が残る”南島”へ上陸して、眠りザメの魚影やら水なぎ鳥の巣穴、前夜に海ガメが産卵の為に何匹も上陸した痕とか、陸ヤドカリ等を見る事もでき、満足のいくクルーズ・ツアーでした。
昼食もそこそこに荷物を纏め”おがさわら丸”が停船している二見港の待合室に集合し、25時間大海原だけが続く、遥か1,000Km彼方の東京へ向けて再び船上の人となったのではありました。
JD1移動運用参加局と氏名 (民宿ささもと・S) JA1KHV 松井 淳、JA1STY 鈴木 清、JE1PWF 小沢利幸、JP1RPQ 菊間敏文、
参加メンバー
動物注意「オカヤドカリ」
船から海に飛び込みお別れ
(グリーンヴィラ・G) JR1WUZ 上遠野準之助、JA0DVE 平野正紀、JA8ALT 中村公隆、 以上7局