子供の頃に見たアメリカ(CBS)のコメディー・ドラマ 「ギリガン君 SOS」 の中で、主人公のギリガン(船員)が乗ったクルーズ船がエンジントラブルで漂流し、たどり着いた島でラジオを無線機に改造して SOS を出すシーンを見ました。このドラマで「無線」は人の命を助けるための重要な通信手段であることを知りました。
このドラマは私の人生に大きな影響を与えました。私はラジオを無線機に改造できる技術を身に付けないといけないという使命感から、中学生の時(1971年5月)に、アマチュア無線技士の資格を取得し、自宅から自作の無線機とアンテナで電波を送信できるアマチュア無線局 JE1BQE を開局しました。その後、現在まで自作の無線機やアンテナの多数の製作記事をアマチュア無線雑誌に執筆しました。
開局してから20年経った1991年8月に、ドイツ人夫婦が乗っていたヨットがインドネシア近海で漂流し、アマチュア無線で助けを求める「SOS」の電波を受信しました。 私は、そのドイツ人夫婦を救出するための 緊急通信ネットワーク を環太平洋のアマチュア無線家と立ち上げ、人命を救助する貴重な体験をしました。当時の私のアマチュア無線による人命救助活動については、新聞、日本アマチュア無線連盟(JARL)の会報、アマチュア無線雑誌などに取り上げられました。
近年、東京でも首都直下型地震が懸念されていますが、過去の災害時の事例では既存の通信インフラがダメになり、アマチュア無線は交信できる唯一の通信手段となりました。令和3年3月の法令改正によりアマチュア無線の定義が明確化されたことで、非常災害時(事前・直前準備、訓練)から災害復旧時までの継ぎ目のない通信支援が可能になっています。また、ドローンによる上空からの画像伝送や、消防団が行う活動に関する通信についてもアマチュア無線が利用できるようになりました。
2025年8月7日に地元の台東区役所を訪問し、東京都議会議員、台東区議会議員の方々にも同席していただき、アマチュア無線を用いた災害通信のネットワークを構築を提案(プレゼンテーション)したのですが、その後台東区からは回答すら得られません。私は今すぐにでもアマチュア無線を使った社会貢献活動に参加したかったので、台東区に隣接し、すでに活動している文京区役所の「アマチュア無線局災害非常通信連絡会 BARD (Bunkyo-ku Amateur Radio Disaster network)」に入会し、活動を始めました。
アマチュア無線は単なる趣味ではなく、社会に貢献できるすばらしい趣味であることを誇りに思い、生涯、私はこの趣味を続けると思います。
アマチュア無線は、世界中の人との交信や無線技術への興味による趣味として知られてきました。今、その知識や経験を生かして、災害ボランティア活動など様々な社会貢献活動での活用が広がっています。
地震などの災害時には公衆回線が不通になることも想定されます。そんなときにアマチュア無線は、アマチュア無線社団局を開設している行政(役所)、警視庁(おほりばたクラブ JA1ZRD)、消防庁(東京消防庁アマチュア無線部会 JI1YUA)、放送局、警察署、消防署、病院、消防団、保健所、水道局、電力会社,ガス会社,医師会,救急病院協会,町会連合会,企業、アマチュア無線家(個人)などが同じ周波数で通信を行うことができるので、防災時には情報を共有できる欠かすことができない通信手段になります。
東京都台東区には、11局の地域アマチュア無線クラブがありますが、台東区(行政)は、災害ボランティア活動を行っている地域のアマチュア無線クラブと連携する体制を整えていません。しかし、自然災害はいつ起こるかわかりませんので、私たち