「CWで交信がしたいからアマチュア無線を始める」そんな方はおそらくごく少数派で、大抵のきっかけはアマチュア無線の関連雑誌や交信中の話題、先輩(OM)の勧めで「始めてみようかな」という気持ちになったのではないでしょうか?
CW(電信)の魅力って何だと思いますか?
あくまで、PHONEと比較した場合の個人的見解ですが・・・強いて言うならば3つです。
1.交信がシンプルなので英会話が苦手な人でもPHONEほどストレスを感じない。
「DXはやりたいが言葉が・・」という方には丁度良い通信手段です。
2.コンディションが悪くてもPHONEよりはるかに交信成立にこぎつけることができる。※
3.交信方法が電信という無線特有の技術を習得しなければできず、習得した者だけが楽しめる優越感!
と言い続けてきましたが、筆者はもう優越感など感じなくなりました。
出来ない人には自慢としか受けっとってもらえないかもしれませんが、
「出来ない」、「やらない」は個人の自由です。拒む局に無理に勧めるつもりはありません。
※
FT-8 の方がはるかに交信成立にこぎつけることができるので、現在盛んに行われています。
しかし、(解読器を使ってインチキをしない限り)CWは自分の耳で、且つ自分の技術で交信成立させるモードなので、交信できた時の達成感はFT-8よりもはるかに大きいです。
CWで交信するためには3アマ以上の従事者免許が必要になります。最近はモールス受信による実技試験がないので、4アマ取得直後に3アマを取得、あるいはに4アマを飛び越して3アマを取得される方も多いようです。3アマより上のクラスの一番の魅力はやはりパワーアップでしょうから、それが欲しくて既に資格をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、ステップとして紹介したいと思います。
3級や4級の受験対策本は何冊か出ていますが、ポケットサイズは2種類、「完マル」誠文堂と、もう一つ「要点マスター」CQ出版社があります。どちらも通勤通学途中など片手間に勉強するのに丁度よい大きさです。
主な特徴を筆者の感想とともに申し上げると・・・
完マル(誠文堂):
類似する過去問題が沢山出ていて理屈よりもひたすら反復させて頭に叩き込むタイプ。出題頻度が★の数で表わされているので、星の多い順から優先的に覚えれば、すべて覚えなくても合格する可能性が高くなるようにできている。
答えが別のページにあるので答え合わせをするのに手間取る。4アマと3アマが一冊にまとめられているのでお得感がある。付録にモールスの符号暗記用のカードがついている。
要点マスター(CQ出版社):
こちらも数をこなして覚えるタイプですが、解説はこちらのほうが詳しい(ミニ参考書付き)答えが同じページ(下部)にあるので正解を確認しやすい。4級と3級が別々の本になっているので順番に受ければ2冊必要。4級用には出題頻度が★の数で表わされているが、3級にはない。と一長一短です。
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4級と3級の試験の差は法規や無線工学の難易度の差というよりも「モールス符号を覚えなければならない」という差のほうが大きい。そこで符号を暗記することになるのですが・・・
現在は受信の試験がなくなったので大半の受験者はモールス符号を暗記カードなどを使って、紙の上で視覚的に覚えてしまいます。しかし、この覚え方は覚え始めだけに留めたほうがよいです。これに頼ると実際にモールス受信をする段階で大きな壁にぶつかります。昔は受信試験があったのでモールスの暗記にはテープやCDを聴いて書き取る練習をすることに重きが置かれていました。つまり最初から聴覚的に覚えることができました。
現在では上級資格においても受信試験がなくなってしまったため、2アマ、1アマに合格しても、モールスに興味を持って初めて受信練習をする方が多い。さしあたって紙に書かれた問題を覚えて3級以上の試験に合格しても、電信は自分の耳で聴き取って文字変換するものです。いずれにしても電信をやりたいのであれば、受信試験が受験科目にあろうとなかろうとモールス符号を音で聴いて符号を変換する訓練が絶対必要になります。当たり前のことですが、モールスは相手の送信した符号を受信するものです。したがって自分のペースで文字変換ができません。分からない符号がでてきても「あっ、なんだったっけ?」「ちょっと待ったー!」「ストップ!ストップ!」ができない!!!大概の人は、ひとたびつまずくと、その時点で頭が真っ白になって以降が取れなくなってしまいます。
一つの符号に固執しないで頭を切り替えること、取れないときでも動揺しないこと、プレッシャーに打ち勝つこと。符号を覚えたあと、実際の交信での最大の壁はここにあります。したがって目で覚えることは非実践的で、かえって遠回りをすることになります。くれぐれも符号を覚えるときは、目からではなく音で覚えましょう!
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「モールスがうまく取れない」大半の原因は、モールス音を聴いて、脳で文字に変換する段階で記憶の引き出しから出てこない、又は出てくるのに時間がかかってしまうためです。もう一つ、取れないことに動揺して、覚えている符号まで取り損ねてしまうケース。
・・・・これだけは避けたい・・・・・
記憶力は年齢を重ねると、若い時ほどは頭に入らなくなります。さらにせっかく覚えても継続していないとすぐに忘れてしまいます。これは今さらどうすることもできません。中学生の頃、筆者が先生から言われたこと:「「こんなに沢山覚えられない!」と文句を言うけれど、今が一番覚えられる時だぞ!」この言葉が身にしみます。
はっきりしていることは、今やらなければ、次回その気になった時は今より苦戦するということ。
「いつやればいい?」「今でしょう!」 林先生の明言がここでも響きます!
ビギナーの「これからやろうと思っているのだけれども・・・」「けれども・・・」の言い訳にはもうウンザリです。
聞き飽きました。 そういう方は、やろうと思いながら一生過ごしていくのでしょうね?
モールス符号を覚える手段として、別のページにも書きましたが、教訓として、合調音はやめた方がいいです。後々苦労します。丸暗記が出来ない場合、音を何か同じリズムの言葉に置き換えるのが合調音です。 例: 「B」は「ビートルズ」
(符号を忘れた時には便利ですが・・・・・逆がつらい!!!)
合調音で覚えてしまった方、または「−・・・」=「 B 」のように「−・・・」を音ではなく視覚的に覚えてしまった方、(現在の3アマの試験ではまさにこのスタイルの出題です)これらの記憶方法は音を文字に変換する時、
「ツートトト」→ 「−・・・」→ 「B」 をたどるか
「ツートトト」→「BEATLES」→ 「B」をたどります。
脳で2度変換をすることになるので、実践ではかえって遠回りになります。
すでに以上の方法で覚えてしまった方は、脳に刷り込んだものをリセットするのは大変だと思いますが、改めて以下の方法を反復して記憶の上書きをしてください。
モールスを受信練習するときのポイント、まず25文字/分の音源を再生します。
(以前はこのスピードが受信試験の最低速度でした。これよりも遅いと長短が符号として聴こえてきません)
内容は平文でもランダムにモールスが発生するものでも、どちらでもOKですが、できれば答え合わせをしたいので、正解が付いている練習用CDか、符号がディスプレイに残るパソコンのソフトウエアを使ってください。(A〜Z 全部が出る音源でOK)
OMの中には耳鳴らしに、ひたすら音を聴いているだけの方もおられますが、これから符合を覚える方は、ただCWの音を繰り返し再生しても覚えられません。 モールス音に違和感がなくなるだけです。英語による放送をただ流していても英語力がつかないのと同じです。
符号を覚えるにはやはり音が聴こえたら紙に書くこと。紙のない環境では指でなぞる癖をつけてください。と同時に符号のアルファベットを頭に浮かべてください。まだ全部覚えていない方は「これだけは確実に覚えた」という音が出てきた時のみ確実に紙に書くようにします。そして取れなかった符号は必ず空けます。(覚える符号の順番はありません!覚えられそうなものからで結構です)
25文字/分を完全にクリアーしたらスピードは上げずに取れる符号のレパートリーを一つずつ増やしていきます。
一通り覚えた方も瞬時に取れなかった符号は空けて最後まで書き取ります。(詰めて書かない様に!)
全部の符号 (A〜Z)※ が取れるようになるまで次のステップには進まないでください。
これをひたすら繰り返していきます。最後に苦手な符号が残っていきます。25文字/分の符号がクリアーしたら次のステップ45文字/分に上げ、45文字をクリアーしたら次のステップ60文字/分に上げます。
最終目標は頭で文字変換を意識しなくても鉛筆が自然と走る様になること。時々、実力の目安に、誰かの交信を聴いてみてください。実際の交信では送信者の癖やコンディションの変化がありますから、変換に苦戦します。実際の交信が取れるようになるまでこれを続けてください。※※
※ 実践的には(1〜0)もこの段階で混ぜてあったほうが良い。
※※ 交信で不可欠な( BT AR ? / )の符号は模擬交信集のCD又は実際の交信を聴いて覚える。
この方法がベストというわけではなく、受信練習の1つにすぎませんが試験にも実践にも役立ちますのでお勧めします。
なかなか符号が覚えられなかったり、送受信の速度がビギナーレベルを超えられなかったり・・・そんな時に耳元で囁く悪魔の声!
「お客さん便利なものがありますよ」
そう! 符号をあなたの代わりに解読してくれる装置、あるいはPCに入力すると勝手に送信してくれたり、メモリーを入れておけば、定型の電文を符号変換して送ってくれたりする装置。
これさえ入手すればあなたは他局に対して電信ができる振りができます。
いわゆる「なんちゃってCW」
できもしないのに、「電信で交信した」と見栄を張りたい局には絶好のグッズです。
でも、電信はたとえ未熟でも自力で送信したり受信したりするからスリリングであり楽しいのです。
そんなことまでして交信成立させても達成感を得られるのでしょうかね?
これら便利グッズの利用者を否定はしませんが、「電信ができる」と個人的に認めたくはありません。
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さあ符号も覚え免許も取ったらCW交信にチャレンジしてみましょう。ラバースタンプ交信の例を載せていますので参考にして下さい。まずは、QTHと名前を取るのに集中してみましょう。
ラバースタンプQSO
JA0SVO/1がCQを出している時、JR2ASSさんがCQを見つけてコールした場合の一例
JAØSVO/1 | JR2ASS |
CQ CQ CQ DE JAØSVO/1 JAØSVO/1 AR K | 「AR」※1 |
JAØSVO/1 DE JR2ASS K | |
JR2ASS DE JAØSVO/1 BT GM DR OM TKS FER UR CALL UR RST 599 5NN BT QTH HR IS TOKYO TOKYO ARAKAWA KU ARAKAWA KU MY NAME IS FUMI FUMI HW ? AR JR2ASS DE JAØSVO/1 K |
「BT」※2 「KU」※3 |
「MIE」※4 |
R JAØSVO/1 DE JR2ASS GM DR FUMI SAN TKS FER 5NN RPT FM ARAKAWA KU UR RST ALSO 599 5NN BT QTH HR IS TSU TSU CITY MIE MIE MY NAME IS TORA TORA HW? AR JAØSVO/1 DE JR2ASS K |
R JR2ASS DE JAØSVO/1 OK DR TORA SAN TKS FER 5NN RPT FM TSU PSE QSL VIA BURO OK ? BK |
「BK」※5 |
BK OK MY QSL SURE VIA BURO BK |
|
BK TKS DR TORA SAN MY QSL SURE TKS FER THE NICE QSO HPE TO CU AGN 73 AR JR2ASS DE JAØSVO/1 TU SK E E |
「SK」※6 「E E」※7 |
JAØSVO/1 DE JR2ASS TKS FER THE NICE QSO HPE TO CU AGN 73 AR JAØSVO/1 DE JR2ASS TU SK E E |
|
E E |
※1 AR は、メッセージの終了を意味し、 ・−・−・ と打ちます。
※2 BT は ー・・・ー と打ちます。 符号の意味は「=」ですが、実際使う時は会話中での「えーと」に近い感じで、使っています。
※3 「区」は「Ward」という単語がありますが、日本人同士なら「KU」の方が良いと思います。
※4 「MIE PREF」=「Mie prefecture」 CWではこの様に送らなくても「MIE」で十分。
※5 BK 「Break」 相手に尋ねる時、簡潔に答えてほしいときに使う。
慣例として BK での問いかけには BK で応答する。
※6 SKは、サイニング オフ を意味し、 ・・・−・− と打ちます。
※7 E E ・ ・ 慣例として SK の後に「BYE BYE」的意味合いで使っている。
★ 最近は郡や市の名前を送らずJCG、JCC番号を送るのが流行しています。
おそらく、アルファベットを符号で送るよりも、(地名によっては)送る符号の数が少なくて済むからかもしれません。
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3アマ以上の国試では一応欧文の問題が出題されているので、「アマチュア無線では電信もあるんだな」という意識を植え付けられますが、「和文電信」ともなれば、もはや試験には無く、イメージとしてかなりマニアックな世界に感じると思います。
和文の場合、略符号があるにはあるのですが、アマチュアでは欧文の様には使わないので、常に平文交信になり、時間がかかります。だから筆者は最初「欧文で簡単に済むものを何故わざわざ和文でやるの?」と思っていました。
でも、この考えは自分の欧文と比べたからそう思ったのであって、後になってから比べるべきではないと思いました。
なぜ和文で交信するのかというと、単純に「和文で交信したいから!」です。理屈ではないのです。
欧文の場合2nd QSO以降 英会話力がないと厳しいですが、和文だと、そのまま続けられます。
(筆者は過去BVやWの局と和文で交信したことがあります)
逆に英会話を勉強すれば、ネイティブともっと楽しくチャットができるかもしれません。筆者はそこには到達していません…。
昔、ノビス級があったころ、21MHzで米国のビギナーに良く呼ばれました。いきなり平文で打ってくるので、びっくりしましたが、ネイティブは欧文を覚えればすぐ平文QSOが出来るので羨ましいと思いました。
いづれにしても、そう簡単には到達できないということです。
継続するには強い意志が必要ですが、これを「練習」、「勉強」なんて考えると気が重くなります。
欧文であれ、和文であれ、継続の源は「電信で交信がした〜い!」これにつきます。
漠然と「出来たらカッコイイだろうな!」こういう動機の方が続けられるのかもしれません。
一つ新しい交信方法を習得できた達成感を純粋に楽しめばよいと思います。
さらに経験から、継続できるポイントは!
和文の場合、指導されるOMの存在よりも、
向上したいと思っている同レベルの仲間の存在が大事です。
ビギナー同士だと、ハチャメチャになることもありますが、気兼ねがない方が続けられます。
筆者も覚えたての頃、OMには大変お世話になりましたが、「お相手頂いている」という気持ちが常にあり、どうしても気を使ってしまい疲れます。その点、仲間同士だと「お互い様」なので、ストレスをあまり感じませんでした。
これも他で述べたので、くどくなりますが、
もし受信練習をするのが面倒で安直に解読器を使うのであれば、その局は単にCWでどんなやり取りをしているのかを知りたいだけです。
あるいはライバルに対し出来もしないくせに「俺は電信ができる」と見栄を張りたいだけで、真に電信がやりたいのではないと思います。
技術習得に近道なしです。
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ここではコンテスト参加局や記念局を呼び、コールサインと599で終わる交信から、一歩進んでQTHと名前、リグとアンテナの紹介、天気等の情報交換をする「ラバースタンプQSO」へスキルアップする為のアドバイスをします。
デビュー最初の頃に嫌な思いをすると、それ以降出たくなくなります。
たとえるならば・・・初めてスキーに行ったら吹雪だった…とか、急斜面にいきなり連れていかれた…「スキーは寒いし危険で怖い!」 そんなイメージが定着してしまう。そんな心境と同じです。
徐々に慣らしていくための段階が必要だと思います。その一例を紹介します。
最初は「CQ」を出している局を呼ぶ方が無難です。
それもいきなりコールしないで、最初はあえて見送り、誰かと交信するのを聴きましょう。
「この局となら自分もやり取りできる」と確信を持って、次に呼びましょう。
余裕があれば、前の交信で名前やQTHを取っておけば、自分が呼んだ後のプレッシャーは半減以下になります。
ただし! 事前に相手局の情報をコールブックで調べたり、QRZ.comで調べるのはダメです。
相手のCWが取れなくても、他で情報が収集できると、つい受信がおろそかになってしまうからです。
交信中に取れなかったら、聴き直せばいいし、コンディションが落ちて取れなかったら、交信後に答え合わせのつもりで調べるのはOKです。 (交信前や交信中はダメ)
慣れてきたらCQを出してみましょう。
「CQ」を出すと、自分のリズムに合わない局に呼ばれることもあります。符号にクセのある局に呼ばれるリスクは覚悟しなければなりません。繰り返しになりますが、取れなかったら聴き返せばいい。
筆者は5回以上聴き返したことがあります。一所懸命コピーしようとしたのですが符号がくっついていて、どこで切れているのか分からなかった・・・。私が至らないだけかと思っていたら、皆「あの局は何を打っているのか分からない」とのことでした。 そういう方面で有名な局と交信するのも修行のうちです。
この様な局が続くとへこみますが、素晴らしいCWオペレーションを聴かせてくれるOMもいらっしゃいます。
フォーン同様、自分からはCQを出さない局も多いので、出会いを広げるにはやはりCQを出した方がいいです。
いろいろなケースに遭遇するうちに場馴れします。
筆者は最初、CWは無味乾燥なものと思っていましたが、続けているうちに符号の向こうに「知性」や「感情」を感じるようになりました。でも599だけのやり取りでは分かりません。是非一歩踏み出してください。
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受信は相手に自分を合わせないといけないからです。
送信では、何を打とうか迷ったときは、一旦打つのをやめることができます。空け過ぎると受信に入ったと誤解されるので、それを回避するためにBTで間をつなぐ局もいます。(正直BTの使い方として正しいかは微妙ですが...)
いづれにしても主導権は送信側にあり、自分のペースで打つ事ができます。
一方、受信中は主導権が相手にあるので、「待った!」が利きません。取り損じた場合、相手の送信が終わるまで屈辱感と葛藤しながら待たなければなりません。取れない原因は、符号に癖があるとか、空電ノイズが入るとか、いろいろありますが、なんといってもスピードへの対応が一番ネックになります。
一般的にCWの送信速度は遅い局に合わせるのがマナーと言われています。
6WPMでCQを出していれば6WPMでコールし、10WPMでCQを出してい時、6WPMでコールしてきたら6WPMに速度を落として送信するのが暗黙のお約束事です。もちろん、合わせてくれない局も居ます。「10WPMのCQに応答してきたのだから、取れるだろう・・・」まあ、そんな解釈かもしれません。「PSE
QRS」を送信すれば、余程のへそ曲がりでない限り、速度を下げてくれます。
しかし相手にきっちり合わせたつもりでも、相手が取れないことがあります…。
なぜなら、ビギナーは符号を取る時、精神的にいっぱいいっぱになるからです。動揺してしまうと、取れるものも取れなくなります。
相手が符号を取れなかったら、交信は成立しないので、技量的に勝っている局は相手の受信能力を察して送信しなければなりません。
人は慣れてくると、初心を忘れてつい上から目線で傲慢になったりします。
「こんなのも取れないのか!」もちろん、「こちらはビギナーなんだから合わせてよ!」 こんな気持ちも良くないと思いますが、ビビッて尻込みしていてはいつまでたっても前進できないので、ビギナーには勇気が!OMには寛大さが必要だと思います。
DXペディションの様にサービスしている意識が強いものは、30WPMでパイルを裁いているところに6WPMでコールしても、おそらく無視されます。 パイルになっていなければ、多少遅くても拾ってくれる事もありますが、呼ぶ側にも「身の程を知る」ことと「空気を読む」ことは必要です。
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国内交信でこれらをいきなり使うと、当局も送られて戸惑ったように、理解されずに完全に無視されるか?「なにDXカブレしてるんだ!」と誤解されてしまうかもしれません。相手に意味が伝わらないと、独りよがりの自己満足で終わってしまいます。相手に対して送れる空気とタイミングが必要だと思います。ネイティブと交信するときに使うのが無難です。
<おまけ>
以前から思っていた素朴な疑問、「FINE」をなぜ海外の局は使わないのか?
「FINE」 JA局の大半が使う定番です。「天気はVERY FINEです」PHONEでもよく耳にします。
(少なくとも筆者が交信した経験の中では...)海外の局は殆ど使いません。 あらためて辞書を引くと確かに意味の後ろの方に「晴れの...」とあります。
おそらく日本では「本日は晴天なり」を「It's fine day」と、どこかで耳にするから親しみやすいのだと思います。
ネットにも色々書いてありますが...
米国人の友人 S君に聴いたら「天気に使うのでしたら気分が良い程の天気」だそうです。
How are you ... I'm fine の「fine」の様に本人の気持ちを表現する意味合いが強いのかもしれません。
晴れには「FAIR」という単語もあります。これも海外のニュースで見かけますが、筆者がたまたまなのか、交信で送られたことがありません。
使ってはダメということではなく、単に筆者がDX局に送られたことがないという体験での報告です。
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北米局から届いたQSLカードです。 JAのDXer各局と比べれば大した枚数ではないかもしれませんが、筆者としては、「随分と交信したな!」と思っています。 北米がオープンしている時はCQを出し、Wの局のCQが聴こえれば、片っ端からコールしていました。 交信の大半(北米本土との全交信 3590 のうち2439 QSO 2021年6月現在)はCWです。 コンテストのカードもあると思いますが、殆どがラバースタンプQSOの時のカードです。 こちらの英語力を知ってか?知らでか?平文も中学英語で習うレベルだったので、紙に書き取って読めば、理解ができました。 SLOW SPEEDだと交信中に分からない単語が出てきても英和、和英辞典を引く事が出来ました。 |